『自立』
[8]前話 [2]次話
18歳になる誕生月。
18歳未満の児童対象の施設。
着々と1Rの物件探しは進む。
待ちに待った自立。
解放される嬉しさでいっぱいな筈。
でも、今は不安しかない。
家は職場の近くに絞られた。
朝早い通勤が、夏も冬も億劫にならん為に。
会社からの給料はチャント職員が管理してくれてたらしい。
生活用品等々、職員みんなが協力してくれた。
譲ってくれたり。
中古を見に行ったり。
100円ショップは衝撃だった。
誘惑だらけ。
部屋を決めた。
契約して荷物を運んだ。
自立寮から此処に移った。
携帯を契約した。
毎朝の『行ってきます』『帰りました』電話は義務づけられてた。
ん...?
退園式してない。
18越えてしまった...
籍はマダ施設。
放置?
凄く不安。
自由の身になった筈。
でも、今迄、檻の中でどんだけ守られてきたのか思い知った。
自由より規則がある方が守られてる。
そう気付いた。
甘えてたんかな...?
立ち位置が変わらな見えん。
解らん。
此処の生活を最初から振り返って結局『此処に来て良かった』って凄く強く想う。
嫌で逃げ出したい時もあった。
脱走した女を見下したこともあった。
くだらんクソガキのイジメも嫌やった。
職員に矛盾を感じてた。
信用やか出来んかった。
でも、なんだかんだゆっても結局いきつく想い...
『此処に来て良かった』
『此処で沢山学んだ』
『此処に来た意味があった』
『大事な第二の故郷』
強く想った。
[8]前話 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ