今後の為の方針
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悪いが夏空、俺が不在の時は訓練の監督を頼む」
「え? あ、はい! お姉さんに任せて下さい!」
ヴォルフから直々に頼まれた事で夏空は嬉しそうに両手を合わせる。
「……なら、私は残るわ」
「えっ?」
「何故残る?」
小冬の発言に神無は驚き、ヴォルフはその理由を問うた。いい加減な理由なら彼女を偵察に同伴させるつもりで。
「夏空に監督をさせるのは良い選択じゃないわ。確かにスケジュール通りにやるでしょうけど、肝心のスケジュールが甘々になる。だから私が補佐になれば訓練も上手く回るかもしれない」
私は夏空みたいに甘くないからね、とニヤリと笑って小冬は告げる。
ヴォルフは彼女の言葉に納得して頷いた。
「私って甘いんですか?」
「……何を今更?」
夏空の言葉をジト目の小冬はバッサリと切り捨てた。がーん、と夏空が言葉に出してショックを受けているようだが、ヴォルフは同行者に決まった神無を見て言った。
「明日からしばらく二人だけになるが、気をしっかり持て。良い経験になる筈だ」
「う、うん」
神無はヴォルフの目には緊張と、姉妹と友人に暫く会えない事から不安になっているように見えた為に励ますように言った。
しかし、対する神無はあっさりと明日に同行する事が決まった事で、少々の戸惑いと嬉しさと他諸々の事柄で頭が一杯になっていた。
神無のそんな状態を全く察していないヴォルフは再び箸を握って食事を再開する。
「……何時まで立っているんだ?」
が、流石に目の前に呆然と立ったままの神無が居るのは流石に気になったので声を掛けた。
「あ、うん」
神無はヴォルフに指摘されるとすぐに腰を下ろした。
「ヴォル君、明日から宜しくね」
「ああ」
改めていう神無に、ヴォルフは頷きながら返事をすると焼き魚に噛り付いた。
「……ヴォルフ」
「ん?」
「神無に変な事したらタタじゃおかないわよ」
「ちょっ!? こ、こふゅう!?」
小冬のニヤニヤ顔の一言で、神無は誰の目にも明らかなほどの狼狽するが、
「偵察は覚えなければならない事が多い。中には変な事柄も混ざって入るだろう」
ヴォルフはそんな二人の論点を完全に勘違いした上で答えた。
『……』
神無達三人はそんなヴォルフに何かを言いたいようだが、何と言えばいいのか分からず閉口していた。
「どうした?」
「何も……」
「何でもないですよ?」
「……ハァ」
小冬に至っては溜息を吐く始末だった。
「でよお、正直ナルガクルガよりもアイツの方がぶっちゃけ、怖いんだよぅ」
一方、飲み比べの最中にすっかり出来上がってしまった正太郎は、机に顎を乗せたまま語りだした。喋る度に顎が机を打って妙な音を立てている。
「あーそーかい。いいから水飲め。酔い覚ませ」
テツは
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