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人狼と雷狼竜
今後の為の方針
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!? よっしゃ! やってやる! ここでの勝負ッつったら酒だ酒! 飲み比べだオラアア!」
「上等だ! 代金は負けたほうが全額だ!」
「かかって来いや! 酒持って来い!」
 際限なくヒートアップしていく二人を他の客と店員は、面白そうに、または呆れながらも楽しそうに、またはどうしたものかとオロオロとして見ていた。
 そんな騒ぎの中で正太郎の胸中にあった不快感と全身を襲う寒気は綺麗サッパリ消えて行った。





「明日、山に入る」
 四季上家の夕食の食卓にてヴォルフが唐突に告げた言葉は、他の三人を凍り付かせるには十分な威力を持っていた。神無に至っては持っていた箸を落としてしまっている。
「えっと……ヴォルちゃん? 順を追って説明して頂けませんか?」
 逸早く冷静さを取り戻した夏空が尋ねてくる。それを聞いた神無は首を縦に何度も振って説明を促してきた。
「先程俺はみんなの前で言ったな。“ジンオウガを討伐しない”と」
「はい。仰いましたね」
「でも、それはアンタがこの村に派遣された事の意味その物を否定する事柄でしょ? アンタがやらなければ他の誰かが実行に移すかもしれないわ」
 ジンオウガに勝てるかどうかは別にしてね……と、小冬は言外に滲ませながら言った。
「ああ。だから、奴が元の縄張りから出てきた原因を調べる。遅くても三日程で戻れる筈だ」
「そっか。原因さえ取り除ければ何とかなるかもしれないもんね。でもヴォル君……」
 神無が一旦言葉を切ってヴォルフを見詰める。
「どうかしたか?」
「……ジンオウガの縄張りって霊峰の頂上付近でしょ? 三日で戻れるの?」
 ややあって神無は言葉にした。
 霊峰は雲の上だ。そこまで行くには道中は長すぎる上にモンスターも生息しているだろう。とても三日で帰ってこれる距離ではない。……一つの例外を除けばだが。
「問題無い。俺一人だ」
 神無が懸念していた事をサラリとヴォルフは告げた。
「強行偵察を行う。その間、皆には自主訓練を……」
「ダメ!」
 自分が不在の間の指示を出そうとするが、テーブルに両手を叩きつけながら立ち上がり身を乗り出した神無に遮られた。
「どうせまた無茶なことするんだから! 一人でなんて絶対ダメ!」
「……そうですよ。ヴォルちゃんを一人で向かわせるなんて危なくて出来ません」
「……右に同じく」
 神無の剣幕に面食らっていた二人も反対の意見を出す。
「……なら逆に聞こうか?」
 ヴォルフは一度言葉を切って三人を見据え――――
「俺についてこれるか?」
――――と、剣呑な意味を含んだ言葉を放った。
 その碧の双眸には刃物の輝きが宿っており、それが齎す威圧に三人は思わず硬直した。
「先に言っておくが、俺はその気になれば二日間は不眠不休で行軍できる。無論、外敵
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