第一話 大久保少佐!!剣が白銀に輝く漢その三
[1/2]
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
「しかしでごわす」
「それでは」
「我々は」
「そうでごわす、しかとでごわす」
西郷は二人に言うのだった。
「統治をするでごわす、しかし」
「しかし?」
「しかしとは」
「子孫の方々の支持は九割を超えているでごわすが」
それでもだというのだった。
「おいどん達は常に完璧を目指しているでごわす」
「はい、あらゆることに完璧だね」
「己を究極にまで高めよ」
正座したままだ、大山と桂も己の前に毅然として正座をしている西郷に応える。外から竹が石を打つ音が聞こえてきた。
「それ故に」
「子孫からの支持も」
「百にしますか」
「完璧にしてこそでごわす」
何かを為すのなら、というのだ。
「だからごわす」
「子孫の支持を絶対にする」
「それからですな」
「中がまとまり外に向かう、でごわす」
西郷は政治の基本の流れも言った。
「だからでごわす」
「子孫達に我等の政策を理解してもらう」
「その正しさも話すのですな」
「若しおいどん達の政に一点の曇りがあらば」
その時はというと。
「支持は絶対になりもうさん」
「ですな、では」
「その為にも」
「政策の是非を問うでごわす、それに」
「そして、ですな」
「さらに」
「子孫の方々にでごわす」
さらに言う西郷だった。
「その支持を知ってもらうと共に」
「子孫達を育てる」
「それもしていきますな」
「おいどん達は日の本に産まれたでごわす」
即ちだ、日本人だというのだ。
「だからでごわす」
「子孫達を鍛え育てる」
「このこともまた」
「これまで通り続けるでごわす」
これもまた日帝衆の重要な仕事の一つだ、彼等は常に子孫達を鍛え育て導きその成長を促しているのだ。
その為だ、この時代の日本人はあの戦争前までの日本人の理想系に近付いてもいる。誰もがそうではないにしても。
その彼等にとだ、西郷は大山と桂に言うのだ。
「それをお願いしもっそ」
「はい、それでは」
「剣道においても」
「大久保少佐でごわすな」
ここでこの名前が出た。
「大久保武蔵少佐が頑張ってくれているでごわすか」
「はい、あの者がです」
「日々子孫の少年少女達に剣道を教えております」
「そして剣を通じて心身を鍛え」
「大和男子、大和撫子を育てております」
「それはまことよきことでごわす」
西郷は二人の言葉に強い声で答えた。
「ではこれからも大久保少佐には」
「はい、本朝の若者達を鍛えてもらいましょう」
「今度も」
二人も西郷に答える、そしてだった。
神戸長田区の八条町にある八条学園高等部の道場に一人の逞しい眉を持つ端整な男が軍服姿のまま木刀を持って子供達に教えていた、軍服は陸軍のものだ。
この男が大久保武蔵、陸軍衆の少佐であ
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ