悪魔との出会い
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迷宮区の道中だが俺は暇だった。ひじょーーーに暇だった。なぜなら戦う機会が一度もなかったから。モンスターとエンカウントしてもキリトとアスナが2人でスイッチしたりして2人だけで倒してしまうから。2人が戦っている間俺は実体のないビジュアルエフェクトの蝶を追いかけそうになってしまった。つーかもうこいつらとっととくっつけよ。
「それにしても君たちいっつも真っ黒だねえ」
まぁキリトは黒のレザーコートに同色のシャツとパンツだし俺も黒の和服で他も黒を基調とした色だしな。
「いいんだよ。服に金をかけるくらいなら少しでも旨いものをだなぁ…」
「その黒ずくめは何か合理的な理由があるの?それともキャラずくり?」
「そ、そんなこと言ったらあんただって毎度そのおめでたい紅白…」
「ちょっと待て。索敵に反応がある。12人か、多いな。一応確認したい。その辺に隠れてやり過ごそう」
「そうだな」
「そうね」
アスナとキリトも緊張した面持ちで頷いた。
俺たちは近くの土手を這い登り、密集した灌木の茂みの陰に隠れたが…。
「アスナ、服」
そう、アスナの今の格好は白と赤の鎧、隠蔽率(ハイドレート)に悪影響がある。
「どうしよ、私着替え持ってないよ…」
「ちょっと失敬」
キリトは自分のレザーコートの前を開くと右隣にうずくまるアスナの体を包み込んだ。あいつはこれを素でやるから信じられん。
「たらしめ。」
「なんでだよ!?」
おっと本音が…
「シッ、来るよ!」
アスナは囁いて指を唇の前に置いた。俺たちの耳にはざっざっという規則正しい足音がかすかに聞こえ始めた。やがて曲がりくねった小道の先からその集団が姿を現した。
全員が剣士クラスだ。お揃いの黒鉄色の金属鎧に濃緑の戦闘服。軍か…。
『軍』それは基部フロアを本拠地とする超巨大ギルド。
2人もそれを察したらしく、身を硬くして息を詰めている気配が伝わってくる。まぁ軍は面倒だしな。
「あの噂本当だったんだ…」
「「噂?」」
「うん。ギルドの例会で聞いたんだけど、軍が方針変更して上層エリアに出て来るらしいって。もともとあそこもクリアを目指す集団だったのよね。でも25層攻略の時大きな被害が出てから、クリアよりも組織強化って感じになって、前線に来なくなったじゃない。それで、最近内部に不満が出ているらしいの。で、前みたいに大人数で迷宮区に入って混乱するよりも、少数精鋭部隊を送って、その成果でクリアの意思を示すっていうことになったみたい。その第一陣がそろそろ現れるだろうって報告だった」
「実質プロパガンダなのか。でも、だからっていきなり未踏破層に来て大丈夫なのか?レベルはそこそこありそうだったけどな……」
キリトは人がいいねぇ
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