マクロスF
0702話
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あたしを抱えながらずっと上にいたのよね?」
「ああ、そうだな」
「……何でそんなに長時間浮いていられたの? 確かあれって空を飛ぶような性能は殆ど無かったと思うけど。ジャンプしてもゆっくりと降りてくるみたいな感じで」
やっぱりそこを突いてきたか。けど、シェリルが自分の世界に熱中している間に俺が何もしていなかった訳では無い。その辺をどう誤魔化すのかは一応考えていたのだ。
「俺のは元々性能が高い奴を借りたからな。その辺の違いだろう」
「……そう? まぁ、アクセルがそう言うんならそうなんでしょうけど」
まぁ、こんな誤魔化し方ではあるが。
「それよりも、このまま砂漠にいるのは色々と不味いだろ。もう1つの名物であるカジノにでも行ってみないか?」
「カジノ、ねぇ。……そうね、確かにちょっと興味あるわ」
数秒程考え込んだ様子ではあったが、笑みを浮かべたシェリルはそのまま砂丘に突き刺さっている自分のスケボーモドキへと手を伸ばしながら頷く。
「言っておくけど、正体がバレないように気を付けろよ。そんなんでも有名人なんだろ?」
「ちょっと、そんなんでもって何よ。大体アクセルは現状にもっと感謝すべきだと思うわ」
「感謝?」
「そう。だって、銀河の妖精をこうやって独り占め出来ているのよ? あたしのファンがそれを知ったら嫉妬の炎で焼身自殺ものよ」
「まぁ、確かに」
俺自身はそんなつもりはないが、実際にシェリルというのはこれまでに何度も感じたように銀河規模での有名人なのだ。シェリルと2人きりだという今の状況を変わって欲しいと願うファンは、それこそ星の数程もいるだろう。特に先程までの、半ば……いや、完全にその柔らかな肢体を抱きしめていた状態だったと知られれば、ファンに追いかけ回されるのは間違い無い。
「……ま、アクセルがあたしを銀河の妖精シェリル・ノームじゃなくて、シェリル・ノーム個人として見てくれるから、こうやって一緒にいて楽なんだけどね」
「シェリル・ノームでいるのは負担か?」
シェリルの言葉に、思わずそう尋ねるが……一瞬の躊躇いも無く首を横に振る。
「まさか。あたしはシェリル。シェリル・ノームなのよ。それを負担に思った事なんか無いわ。けど、それでもたまにはゆっくりしたいと思うのも事実なの。そういう意味ではアクセルと一緒にいる時は気が休まるわね。……ほら、行くわよ。カジノで思う存分勝ってやるんだから!」
スケボーモドキに乗り込み、先へと進んで行くシェリルの後を追う。
「おい、待て。カジノがある場所は分かるのか!?」
「このコンピュータに地図が入力されてるわよ! それに自動で向かうシステムも付いてるし」
そう告げるシェリルの後を追って、カジノへと向かうのだった。
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