暁 〜小説投稿サイト〜
魔法少女リリカルなのは 〜優しき仮面をつけし破壊者〜
オリジナルストーリー 目覚める破壊者
StrikerSプロローグ エースとストライカー、それぞれの第一歩
72話:The beginning of StrikerS side ???
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異形が見た彼の表情は、正に鬼の形相そのままだった。
憎悪と怒り、嫌悪といった物が入り混じったそれを見た異形は、普通とは真逆の感情を感じ再び三日月のような口を作った。


「いいだろう…その表情(かお)に免じて、この俺自ら相手をしてやろう」


そう言うと異形は刀を下ろす。龍もその仕草が発射の意ではないことがわかり、溜めていた炎を霧散させる。
異形は刀を構え、青年は武装隊で支給された物を自分用に調整したポールスピアの切っ先を向ける。


「さぁ来い小僧…さっきの奴らよりも楽しませてくれよ」


その一言で青年の中の何かが壊れた。雄叫びのような、それでいて狂ったような叫び声と共に青年は走り出す。
異形はそれを見ても笑みを消さずにただ待つのみ。目の前の標的が、簡単に壊れぬよう願いながら。

そして遂に、青年のスピアと異形の刀がぶつかり合った。












目が覚めた時には、俺は病院にいた。
どうやら俺はあの化け物と戦って、負けて―――そして生かされた。
何故生きているかわからない。これは奴の気まぐれか、はたまた別の何かなのか。

そしてあの時に生き残ったのは、俺と弟と妹の三人だけだった。燃えた家々の中には焼けた死体のみ。しかし確認された死体の数とそこに住む住人の数が合わないらしい。
おそらくあの化け物が…父さん達を焼き殺したんだろう。骨も残らないぐらい、それこそチリになるぐらいに焼かれたのだろう。

なら何故、俺達はここに―――管理局が所有するミッドの病院にいるのか。
それは経過を見にきた医師から聞いたのだが、ある人物が俺達を見つけて助けてくれたらしい。

その人物は―――かの有名なあの英雄≠セった。

今ある事件を追っていると聞いていたが、あの化け物のことを聞いて来たのだそうだ。まぁ追っかけている事件も化け物関連だったから、今回もそうだと思って来たみたいだが……


だったらなんで……生きているのは俺達三人だけなんだ?


あの人は強い、そんなことあの人を知っている奴なら誰でもわかることだ。
なら何故、もっと早く来なかった?そうすればより多くの人を救えたかもしれない、もっと多くの人を守れたかもしれない。

なんで終わってからやってきたんだ…!



―――許さない……


俺は絶対に許すつもりはない。
あの龍を操る化け物。父さんを殺し、俺達の故郷を滅ぼした化け物を。

そして―――英雄≠ニ呼ばれるあの男。
俺達を救わなかった奴を、見捨てたあいつを。


―――絶対に許さないッ!!


今は無理でもいつか必ず、俺のこの手で……その為の力≠……!!





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