暁 〜小説投稿サイト〜
魔法少女リリカルなのは 〜優しき仮面をつけし破壊者〜
オリジナルストーリー 目覚める破壊者
StrikerSプロローグ エースとストライカー、それぞれの第一歩
72話:The beginning of StrikerS side ???
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してんだ、ふざけんなッ!
そう叫ぼうと思った瞬間、俺の隣に魔法陣が現れる。これは何度見たことがある。母さんの―――いや、この地域に住む人達共通のレアスキルの一つ。

それは少ない魔力でも、多くの物を転移させる―――特殊転移魔法の魔法陣!

その魔法陣の上に現れたのは、俺の弟と妹。
どうやら気絶しているだけのようだ、息もしている。少し安心して息を吐いた。
だがすぐに思い出し顔を向けると、家にみるみるとヒビが走っていくのが見えた。


[身勝手なお願いだけど、私達の分まで…三人で、生きて…]


家が段々とボロボロになっていく中、母さんは念話でそう言った。
そして完全に崩れると思った、その瞬間、


[生きて……私達の―――]


母さんの最後の言葉を聞いたのと同時に、自分の家が崩れていき母さんとの念話が切れた。


「あ……あぁ……」


その光景に思わず膝から崩れ顔を手で覆う。俺は母さんを―――助けられなかった。



「あぁ…ああぁ…ああぁあァああアアああぁァあぁああアあああああアああアアァぁぁ!!」



俺の叫び声は、燃え盛る炎で明るく見える夜空に溶けていった。






家々が燃える街の道路を、悠然と歩く人影が一つ。
その頭上には紅の龍が飛び回っており、時折聞こえる咆哮は禍々しく、聞くだけで寒気を感じられた。

しかし人影の周りに生きてる物はすでになく、その寒気を感じる物はいなかった。


「まったく、意外と張り合いがなかったなぁ…」


人影は青龍刀のような刀を肩に担ぎ、残念がるように呟いた。
人影に月の光が当たり、その姿が露わになる。それは普通の人間の物ではなく、正に異形であり化け物。


「新しい力の試験運転で来たが…肩慣らしにもならん」


その言葉に反応して頭上の龍が吠えた。それはまるで退屈だと言わんばかりの物だった。


「わかってるさ、別世界にでも行ってもう一暴れするか?」


今度はその言葉に賛同するかのように吠える龍。
それを聞いて満足そうに笑う。しかしその笑みもビジュアルも含めて見れば、恐ろしい物だった。

そこへジャリッと地面を踏む音が響いた。
異形が振り向く先に、まだ幼さの残る青年が一人立っていた。


「ん〜?まだ生き残りがいたか?」


俯きがちの青年に向き直ると、持っている刀を振り上げ、それに呼応するかのように口の中に炎を溜め始める。
しかし異形は青年が小さい声でブツブツと何かを言っていることに気がつく。

彼が何を言っているのかと聞き耳を立てようとするが、その前に青年が俯かせていた顔をバッと上げた。


「ほぅ…ただの人間にしては、いい顔をしているじゃないか」

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