暁 〜小説投稿サイト〜
魔法少女リリカルなのは 〜優しき仮面をつけし破壊者〜
オリジナルストーリー 目覚める破壊者
StrikerSプロローグ エースとストライカー、それぞれの第一歩
72話:The beginning of StrikerS side ???
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おそらく家々の中にはかつての友達も、その家族も。
「っ…くそっ!」
俺は道端に言葉を投げ捨てて、ある場所に向かって走り出した。
忘れもしない、自分が生まれ育った―――我が家へ向かって。
目の前の光景に、思わず息を呑んだ。
燃えているのだ。周りの他の家と同じように、ただただ赤い炎が燃え黒煙を空へと垂れ流す。
おそらく、我が家に住む俺以外の住人も、他と同じように中にいるんだろう。
それを俺は、見捨てるのか……?
だけど俺は諦めきれなかった。すぐに念話を繋ごうと必死に呼びかける。母さんでも父さんでも構わない、頼むから返事をしてくれ!
[そ、その声は……?]
[か、母さんか!良かった、無事だったか!]
返事を返してくれたのは、母さんだった。
母さんが無事だったことに安堵し、一息つく。落ち着け、まずは状況の確認だ。
[父さんはどうした?一緒じゃ…]
[わから、ないわ…あの化け物と戦って、いる筈だと…思うけど…多分……やられたと…]
化け物?なんのことだ、化け物が父さんを?
いや、きっと生きてる!生き延びている筈だ、ここの人達ははそういう奴らだ!
[父さんは後で探す、とりあえず母さんの位置を…!]
[無駄よ、止めなさい…]
[何でだよ!まだ息はあんだろ!?だったら今すぐに…]
[ダメよ…あなたが、こっちに来る前に…この家が潰れてしまう…]
母の言葉に言葉を詰まらせた。だったら余計に早くしなくてはと反論するが、母はいいから聞きなさいと俺を呼び止めた。
[なんだよ!こんな時に…]
[お願いが、あるの…よく、聞いて…]
母さんが言うには、弟と妹が側にいて無事なのだと。
だから今から二人をそっちに送るから、二人を連れて逃げろ。そう言うのだ。
[な、なんだよそれ!意味わかんな―――]
[あなたなら、わかるでしょ…?私達の転移魔法は、術者は転移、できない…]
だから二人を連れて……
そう続ける母に、ならやっぱり俺が母さんをと反論するが、
[言ったでしょう…?ここはもう、長くは保たない。あなたが私を探して、いる間に…あなたも巻き込まれるわ……]
[だけど、だからって…!]
[もう―――母親の最後のお願いぐらい…なんで聞いてくれないの?]
母さんの言葉に、思わず固まってしまう。念話からクスリと母さんの笑い声が聞こえてきた。
[思えば、昔から頑固な子よね]
「―――止めろよ…]
[いっつも、突っぱねてるところがあって…]
「―――止めてくれ…!」
[でもそんなところが、なんか可愛くて…]
止めろってんだよッ!何死に際みたいな話
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