暁 〜小説投稿サイト〜
魔法少女リリカルなのは 〜優しき仮面をつけし破壊者〜
オリジナルストーリー 目覚める破壊者
StrikerSプロローグ エースとストライカー、それぞれの第一歩
72話:The beginning of StrikerS side ???
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りとしない。
「お、意識戻ったか。よかったよかった」
そう言うのは視界に映る人。その輪郭はかなりぼやけていて、目の形もわからない。
腕も足も動かない、視界がぼやけるのと関係があるのだろうか?
「資料の殆どが持っていかれたようですが、何枚か取り残したものがありました」
「了解、それらを回収して帰ろう。とにかくこいつを一回病院に連れてってやらなきゃいけねぇ」
体が持ち上げられる感覚を感じた瞬間、またも体がだれてくる。今回も瞼が閉じていき、意識が消える。
今度目を開けた時は、白く彩られた壁だった。
見慣れない光景に目がはっきりと覚めて、思わず周りを見渡す。
「―――目が覚めたか?」
「わあぁあっ!?」
―――ゴツッ!!
「「いったァぁッ!?」」
急に視界の横から人の顔が飛び出してきた。いきなりの事に勢いよく体を起こしてしまい、俺の顔と出てきた人の顔がぶつかり、鈍い音を立てた。
「いっつ〜…」
「痛みを感じるって事は…元気な証拠、だな…」
頭を抑えながら、さっきの人が言ってくる。
この人の話によると、俺はこの人に助けられたらしい。
だけど、俺は助けられたところで行く場所がない。
そう目の前の人に言うと、目を大きくしてこちらを見ながら、
「だったら、俺がなんとかするか」
そんなことをすらっと言った。なんとかするとは?とその時は首を傾げた。
しかしその後、この人が俺の後見人となり色々面倒を見られることになるなんて、この時の俺はまだ知らなかった。
あの人が連れ出してくれた世界は、色とりどりだった。
木々の緑、海や空の青、夜の黒さやその中で光る月の白さ。
今まで見たことのない色々は、俺の心に興奮をくれた。初めて見るものばかりで、目を輝かせていたことを覚えている。
因みに黄緑色の服を着たちょっと緑色の肌の人間っているのかと聞いてしまい、苦笑いと共に「いない」と言われてしまったのはいい思い出だ。
こんな世界に連れ出してくれたあの人の背中は大きく、たくましく―――漢の背中≠ニいう言葉がぴったりだった。
だからこそ、俺はあの人に憧れた。あの背中に、あの優しさに、あの強さに―――あの人の全てに憧れた。
だからあの人と同じような力が欲しい。
そしてあの人の背中を目指して追いかけていきたい。
なんてったってあの人は―――俺の理想の漢≠ネのだから!
目の前に広がる火の海。村の建物を燃料として、轟々と燃えたぎっている。
息を整えつつ、周りを見渡す。全ての家々が、一つ残らず燃えている。
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