第百八十二話 けいおん
[3/4]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
戦発動を決定する。全員別命有るまで箝口令を発する」
この後、捕虜交換の護衛と称していたロボス率いる宇宙艦隊直衛艦隊と第7艦隊、第9艦隊は宇宙海賊討伐と航路警戒の為と称していた第3艦隊、第4艦隊、第11艦隊とヴァンフリート星域で合流の上、シャンプール軍管区より派遣された警備隊に帰国者の護衛を引き継ぎ、補給の後一路イゼルローン回廊へと向かった。
宇宙暦794年 帝国暦485年12月28日
■自由惑星同盟軍 第7艦隊ワーツ分艦隊旗艦ベロボーグ
私室で真剣な顔で考え込むヤンにキャゼルヌが話しかける。
「ヤン、あれからズッと考え込んでいるのか?」
キャゼルヌの質問にヤンは暫くしてから答えた。
「ええ先輩、あれほどの事を皇女が知っているとは」
「あれだろう、皇女ともあれば同盟の事も知る必要が有るからじゃないのか?」
「それにしては、詳しすぎるんですよ。普通の市民じゃ思いもよらない民主共和制の欠点まで的確に指摘してくる。その上ユリアンやジェシカのことまで知っているなんて、不気味でしょうがないんです」
ヤンは彼には珍しく眉間に皺を寄せて答える。
「確かにその辺は不気味だな。軍内部にネズミがいる事は確実か」
「ええ、それも軍中枢部に生息している可能性があります」
「しかし、あの皇女だが、お前さんが質問する度に後に控えていたケスラー提督が耳打ちしていたが、あれは実際にはケスラー提督の話を伝えていただけかも知れないぞ」
「ええ、それも考えたんですが、それにしては話に重みがありすぎなんですよ」
「しかし、相手は14だろう」
「ええ、けど14でも歴史的発明をした人物は居ますし、それほど不思議ではないと思うんですよ」
「確かにそうだろうが、其処まで恐れる必要が有るかな、皇女一人ではどうしようも無い気がするんだが」
「確かにそうなんですが、彼女は見た限り悪魔的なカリスマの持ち主に見えるんですよ。あのヒトラーがそうだったらしいですから」
「成るほど、お前さんの大嫌いなトリューニヒト国防副委員長閣下もそんな感じだと言っていたからか」
「ええ、ああいったカリスマは市民を酔わすんですよ。そして妄信的に人々を指導する」
「まるで女王蟻か女王蜂だな」
「正にそうですね。その上あの慰労金の支払いです。あれでは同盟内部にも皇帝、皇女擁護派が増える可能性が大いにありますよ」
「確かに、前回の捕虜交換といい、今回の拉致被害者送還といい、皇帝や皇女の尽力だからな。その辺りがあってか、最近は皇帝を悪しく言うマスコミが減ってきているな」
「そうなんですよ“皇帝皇女は悪くない悪いのは門閥貴族だ”との論調が多く成っていますからね」
「確かにオルタンスやシャルロットに聞いても町中じゃGIO48と共に皇女のブロマイド
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ