一話 妖精の転校
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は頭を下げる。
「まー、構わんが。」
「ありがとうございます。あと、編入手続き書類もらえますか?」
「どうしてだ?」
「彼女が追われていたなら。当分一緒に行動した方がいいでしょう。それに武貞がわんさかいるここはある意味安全ですし。」
綴は少し考え。
「わかった」と言って書類を渡した。
購買により、こなみの制服を買い、服装、髪型を整えさせる。耳は京菱グループで開発された武貞ヘッドフォンでなんとか誤魔化した。効果は、主に周りの話をより聞こえるようにする集音器としての用途が高いらしい。周波数を合わせることで通常の耳と同じ役割を果たし、黒板をひっかく音などのノイズをシャトアウトしてくれる。こなみもつけるのが初めてのようで少し驚いていた。
しばらくしてから、教務科で暇そうにしていた高天原先生に話を通してもらいこなみを転校生という形でうちのクラスに編入させた。
遅れて登校した教室は少し騒がしかった。無理もない俺が別の事件に巻き込まれている頃、前代未聞のチャリジャックが起きていたのだから。もっといえば、Sランクの武貞が直々に動いたことが一番であろう。
高天原先生を先頭にして入る。先ほどからこなみは緊張してしまい、俺の手を離さない。高天原からは「あらあら仲がいいわねー」と流されたが。綴は、なぜか知らんがあの後消えた。何処かでさぼっているか。拷問でもしているのだろう。考えただけで寒気がする。
「はい、席についてー。綴先生は急な用事で来れないので代理で連絡に来ましたー」
クラスの視線が高天原に集まる。
「今日はなんと転校生が来ます。」
挨拶とともにこなみの手を引き教室へはいる。
辺りからは俺を罵る罵倒や雑言が飛び交う。それもそうであろう。今のこなみの姿はみんなの注目の的だ。
輝くシルバーブロンドがこなみを輝かせ。雪のように白い肌が儚さを、違う色の瞳がミステリアスを思わせる。更に、こなみ自信が緊張のために俺の背に隠れている。したがって、より一層保護欲を引き立てる。
そんなの御構い無しに高天原は言う。
「では、自己紹介お願いね」
「は、は、はひぃ!?…ぅぅ…はい」
俺も励ます。
「大丈夫か?」
「夢夜さんやっぱり無理です」
「がんばれ」
そういうと掴んでいる裾を強く握る。すると、今度は教室中から怒りのこもった視線が送られる。
「み、みなさん。はじめましゅて........初めまして。今日からみなさんと同じクラスになりました。ひ、久永 こなみです。よ、よろしくお願いします。」
なぜか教室中から称賛の拍手が湧く。
「じゃあ、久永さんの席は....もう決まってるわね。えーっと確か、霧崎くんの席。久永さんと変わってくれないかな?」
高天原先生が指名した霧崎の席は俺の隣の席だ。どうしてここまで気を回してくれるのだろうか。少し
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