第7章:過去から未来への歴史
第13話:父は強し
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「何を言うか……アリーナよ。お前に子供を育てる事など出来ん! “世界を知りたい”“強くなりたい”などと言い、絶えず城から抜け出そうとする子供に、赤ん坊を育て上げる事など出来るわけがないのだ! 今は“愛”と言う幻影に惑わされてるが、国を捨て二人だけで子育てをするなど出来るわけないのだよ!」
今にも唾を吐きそうな顔で娘とその彼氏を見下ろし、現実の厳しさを説く王様。
意外と苦労してるのかな?
もしかして王様も出来ちゃった結婚?
「で、出来るわよ! もう母親なんですから私! クリフトさえ側に居てくれたら、他人の手を借りなくとも子育てしてみせるわよ!」
あれ? 何か話が妙な方へ向かってる……何だろうか、この違和感は?
「出来るものか……壁を蹴破って城から抜け出す御転婆に、手のかかる子育てが出来るわけない!」
「もうそんな事しないわよ! 私は母親となって、この子を立派に育てるんですから……御転婆なんかじゃない、立派な母親になるんですから!」
そういう事か……この王様はやり手だぞ。
単純なアリーナ姫は王様に言質とられちゃったぞ。
どうやら最初から分かってたな。二人の仲を分かってて、この話題に踏み込んだな!
リュカさんに視線を向けると、満足した表情で頷いている。
どうやらリュカさんも気付いてたらしい……どういう訳かリュカさんも、王様が二人の仲に気付いてる事を、気付いた上で引っかき回したらしい。
凄ーけど、何でリュカさんは知ってるんだ?
王様とアリーナ姫・クリフトさん等が、今後の事(王族としての責務を果たす事や王家に入る心構えなど)を話し合ってる中、俺はリュカさんに近付き今回の事を確認する。
「リュカさん……何でリュカさんは、王様が気付いてる事に気付いたんですか?」
「そりゃ……あの余裕在る態度だよ。クリフトが言いにくそうにしてるのに、不安がらず先を促し追い詰める態度。これで何となくピンと来たね(笑)」
「だから突然暴露したんですかリュカさんが?」
「うん。そしたら顔色一つ変えず、口の端が少しだけ笑ったんだよ……一瞬だけどね! で、思いだしたわけ……そう言えば、このオッサンには予知夢を見る能力があったなって(笑)」
「予知夢で知ったんですか!?」
「多分ね……もしかしたら、アリーナが旅立つ前から知ってたのかもしれない。だから年齢の近いクリフトを常に側へ置いてたのかもしれない。まぁ聞いても答えてくれないと思うけどね」
何てこった……世の中の父親ってのは、以外と凄い連中らしい。
視線をアリーナ姫達に戻すと、丁度話が終了したらしく、二人を抱き締め祝福を述べる父親……いやお祖父ちゃんがそこに居た。
そして王様は家臣達を見回し……
「良いか皆の者。クリフトは今より私の義息である! その事に
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