第二十話
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く、泣き続けていた。暫く唯依をあやしていると、泣き疲れたのか眠ってしまった。
使用人の方が客間に布団を敷いてくれたので、そちらに唯依を寝かせると言って連れて行ってくれた。
「しかし、悠斗もやるな。こんな可愛い子達を虜にするなんてな」
不動のおじ様が、行きなりそんな事を言い出す。
「全くですね。若い頃の貴方にそっくりですね」
冷や汗を大量に流す不動のおじ様。心辺りがあるのだろうな。
「オホン!しかし、良いのか家の愚息で?月詠家ならば、男など引く手数多だろうに?」
「不動様。ご子息様程の男児は、このご時世なかなかおりませんよ」
「そうですよ。悠斗は年下ではありますが、非常に良い男です。むしろ、あやつ以外の男と結婚しろと言われたら、自害する覚悟はあります」
「ハア〜。月詠家の者は、皆意志が固いからの〜。ワシが説得しても無駄な様だしな」
不動のおじ様が、またため息を一つ吐いた。
何やら哀愁が漂っていた。
「まあ、良いじゃない。悠斗が月詠家に婿入りなんて良い縁談よ。それに当人同士で了承してるんだから、親が文句を言ったてどうしょうもないわよ」
京さんが間に入ってくる。義母様と呼ぶ日が来るのだろう。今から、言っておくか?
「ハア〜。ワシから月詠家の当主に話をしておく。真耶ちゃん、真那ちゃんは、仕事に戻って良いよ。護衛の仕事があるんだから」
「分かりました。其れでは失礼します」
「ありがとうございます。其れでは失礼させて頂きます」
私と真那は二人に別れの挨拶をして不動家を後にした。
(今思えば、良い思い出だな。しかし、悠斗の奴は何時になったら、祝言をあげるつもりなんだ?)
そんな事を考えていると、1台の黒い車が近づいて来た。
「やれやれ。やっと来たか」
車が私の前で、止まった。運転手が降りてきて、後部座席のドアを開く。車から悠斗が降りてきたのだった。
真耶sideout
悠斗side
帝都城内に入って、暫くしたら車が停止した。
運転手が降りて、俺の座っている側のドアを開けてくれた。
「不動准将。着きました。此方からどうぞ降りてくださいませ」
「ありがとう」
車から降りると、月詠真耶大尉が出迎えてくれた。
「お久しぶりです。不動准将」
「久しぶりだね真耶さん」
敬礼して、出迎えてくれる月詠大尉に笑顔で返事をする。
「そ、其れでは案内させて頂きます(くっ!相変わらず笑顔が、素敵過ぎるだろう)」
「よろしく頼むね」
「では、着いてきてください」
月詠大尉の後ろをついて行く。駐車場から、ハンガーを通る。何気なくハンガーの方を見ると、不知火が置いてあった。
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