第二十話
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た目は悠斗をかなり老けさせて、眉間や額にシワがよって白髪にした感じだ。
「そうですか。では、お邪魔します」
「「お邪魔します!」」
「はいどうぞ。悠斗は国連軍に入隊する為に日本を出国する。あと1時間程で、家を出るからね。其まで別れを惜しんでやってくれ」
不動のおじ様は、そう言って家の奥に引っ込んだ。その背中は普段の覇気に溢れたおじ様の姿から遠い、弱々しい一人の父親の背中だった。
玄関から上がり、悠斗の部屋に向かう。
他の二人も続いて来る。 3人とも話をせずに、悠斗の部屋に着いた。
「悠斗。私だ真耶だ。入るぞ」
障子戸越しに声をかける。
「ああ、構わないよ」
障子戸を開けて中に入る。部屋の中は既にかたずけてあって、綺麗になっていた。
「やあ、3人とも。わざわざありがとう。大した持て成しはできないけど、どうぞごゆっくりしていってくださいな」
「前置きはいい。それより、本当に国連軍に行くのか?」
悠斗が、前置きを言って挨拶するが、それを無視して本題に入る。他の二人も真剣な眼差しを向けている。
「うん、親父が五摂家を説得して、押し通したからね。覆す事なんて出来ないよ」
「しかし」
「真那。これは、政治取引なんだよ。俺が行けば全て丸く収まり、日本帝国にとって、より良い選択になるんだ」
このまま斯衛軍に入隊すれば、確実にトップエースとして活躍するだろう。
それくらい将来を期待された子だ。
それゆえに、今回の国連軍行きには斯衛は勿論、帝国軍、帝国議会などで激しい論争になるほどだ。最終的に、五摂家の勅命にする事によって、表向きの政治的決着をつける事になった。全ての発端は、とある国が難癖を付けてきたのが原因だった。
日本帝国も、国連の一員ならば斯衛から、国連軍に人を出すべきではないかと。結果日本帝国は、大混乱に陥るはめになったがな。
暫く悠斗達と話をしていると、障子戸から声がかかる。
「若様。出発の時間でございます」
「分かった。今いきます。皆、出発の時間だ。外に行こう」
「「「うん」」」
悠斗と共に、不動の廊下を歩き玄関に移動して外に出る。
外には、黒い車が1台止まっていた。周りには、悠斗の父上と母上、不動家に使える使用人の方々。それと、巌谷榮二大尉が待っていた。
「別れはすんだか?」
「はい父上。しかと済ませました」
「そうか。ならばよい。悠斗よ国連軍に行っても、負けるでないぞ。斯衛の誇りを見せつけてくるのだ!よいな」
がっしりと悠斗の両肩を押さえて、話す不動のおじ様。
「はい父上。頑張って参りたいと思います」
「うむ。ならば、ワシから言うことはない」
両肩から、手を放すおじ様。悠斗はそのまま、前に進
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