第7章:過去から未来への歴史
第12話:基本的には目出度い事柄
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私ですら、その変化に気が付かなかったというのに、どうやってリュカさんはアリーナ様のご懐妊を知ったのですか!? お腹だってスリムなままなのに……」
「あはははは、オッパイだってスリムなのにね(笑)」
「ぶっ殺すぞコノヤロー!」
アリーナ様の怒りを浴びながらも、腹を抱えて笑うリュカさんが憎い。
何より、最近はアリーナ様の胸も大きくなってきたのに! ……はっ、ご懐妊の影響か!?
「リュカさんはね、女性が妊娠すると判っちゃう特異体質なんだよ。当人が気付いてなくても『身体の中に新たな命の暖かみがある』とか言って、外見的違いのない女性の妊娠にも気付いちゃう規格外生命体なんだよ」
バケモノめぇ〜……私より先に気付くんじゃない!
「な、なるほど……そんな特技があるから、今まで懐妊させてきた女性を隠し続ける事が出来たんですね!」
「はぁ? 僕は一度も隠した事はないよ。嘘吐いても何れバレるし、その方が周囲への印象も悪い。正直者は好感を持たれるからね」
「あ、愛人とその子供を複数作っておいて好感云々を語らないで下さい。リュカさんは国王なのでしょう……そんなふしだらな事を続けてると、そのうち国民から不平が出てきますよ! 王として品行方正を是とした方が……」
「ところがどっこいクリフトさん! この男は国民から絶対の信頼を得てるんだな。国民の生活向上を考え、自ら市中を視察し……まぁ視察ついでにナンパもしてるけど、逆か? まぁいい……そうやって見つけた問題点を素早く解決させてるから、国民には大人気なんだよ。その財源を貴族に課税する事で補ってるから、貴族からは不評だけどね(笑)」
なるほど……多分ナンパついでに市中見回りでしょうけど、リュカさんを良王として表す納得のいくエピソードですね。
チラリとリューラさんに視線を向けると、尊敬する父を褒められ満面の笑みです。
「それに、こんな事はリュカさんくらいにしか出来ない。普通の王様がフラリと一人で市中に出るのは大変危険な事だ。何処にテロリストが潜伏してるか判らないのだし、国家主席を一人フラ付かせるなんて言語道断! だがリュカさんには無用の心配。だって強いんだもん! このオッサンはそこら辺のテロリストより強いんだもん!!」
「“オッサン”じゃない、イケメンお兄さんだ!」
「黙れイケメンオッサン」
あまりにもどうでもいい二人の遣り取りに、思わず笑ってしまう。
「やっと笑った」
優しい声で私が笑った事を指摘するリュカさん。
思わずハッとなり、皆さんを見回してしまう。
「これから世界が平和になった報告と、義父に初孫の報告をするのだがら、難しい顔をしてちゃダメだよ。アリーナを安心させる為にも、嘘でも余裕ぶっこいて笑ってないと! それが男に出来る唯一の強がりだよ(笑)
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