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東方魔法録〜Witches fell in love with him.
42 助言〜She isn't a person whose love is insane.
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りだし時間を見た。
「えっと…18時」
「え!もうそんな時間!?」
あわわ…!結構長い時間寝てしまったわ!
「ご、ごめんなさい!」
「いいよ。アリスがグッスリ寝られたから」
「わ、私!夕食の支度もしなきゃいけないしこれ以上ここにいるのは迷惑だから今日は帰るわ!」
恥ずかしさと気まずさを紛らわすようにあわてて自分の私物(と言っても筆記具だけどけど)を片付けてた。
「あ、アリス!急いで帰るなら今日はいいけど、明日用事がなかったら絶対来て。言いたいことがあるから!」
それだけ聞いて私は挨拶もそこそこに逃げるように帰っていった。
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……………………………………
…………………………………
―ぺタン
「はぁ、はぁ、はぁ…」
紅魔館から逃げるようにして出ていった私はずっと家まで恥ずかしさを振り切るように走った。
家の中に入って糸が切れたようにズルズルとドアを背に崩れ落ちて座った。
「随分と大胆なことをしたわね」
クスクスと笑い声が聞こえた。相変わらず姿は見えず声だけが聞こえる。
「あれは事故だったのよ…って言うか当たり前のように見てたのね…」
図書室では視線を感じなかったけども…。明希とパチュリーを欺けるぐらいだから私程度に覚られるわけがないか。
「先に言っておくけど、私は善意でやっているのよ」
「怪しいわね。一から十まで善意ってことじゃないんでしょ?」
「そして助言をしておくわ。後悔しない選択をしなさい」
また話が噛み合わない…。本当にコイツは何なの?妖力を感じるから妖怪なのは間違いないだろうけど…。
「選択って何のことよ」
問いかけるが答えは返ってこない。いつの間にかいなくなっていた。
はぁ、と溜め息をついて夕食の支度を始めた。
翌日。私は四度紅魔館に訪れていた。明希に会うためもそうだけど、今日は明希から大事な話があるらしい。話が無くとも私は図書室に訪れていたのだけど。
話ってなにかしら…?全く想像がつかないわ。お陰で昨日はドキドキしてあんまり眠れなかったわ。明希の膝の上で寝ていたせいでもあるけど。
そんなことを思いながら図書室の扉を開けた。
「はぁむ、ちゅぷ…じゅる…」
「ふぁあ!」
「…あ」
そこでは明希がパチュリーの首筋に噛みついて血を吸っていた。
「ゴク…ゴク…ぷぅ…」
「はぁあぁ…んっ」
私は見惚れていた。吸血鬼が、明希が血を吸うところを。
いいなぁと思った。ズルいと思った。
ただ、じっと見詰めて、自然と明希に噛まれた首筋を手で抑えていた。
「あ…タイミング悪かったなぁ…」
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