【ゼロの使い魔】編
034 クスリ、ダメ。ゼッタイ
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顔を強張らせたのを見逃さなかった。……無論、語尾が裏返っていて、判りやすい程に動揺している事も気が付いている。
「さて、モンモランシー? 俺もちょうどラグドリアン湖に用が有ったからラグドリアン湖に行っても構わない。……でも、それはギーシュがどうしてこう≠ネったかを全部°ウえて貰ってからでも遅くは無い」
「う゛っ! …判ったわよぉ……」
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
ラグドリアン湖が在るド・モンモランシに向かう馬車の中。その馬車の中には俺、モンモランシー、薬によって眠っている──眠らされているギーシュが居る。
(いやはや、やはりと云うべきか……)
モンモランシーから聞いた話を自分なりに纏めてみると、非の割合は50対50でどっこいどっこいだった。……否、ご禁制の薬を使っている以上、60対40でモンモランシーに非が有った。……いくらギーシュが浮気性だとは云え──いくら彼女だとは云え、ギーシュの心を弄くって良い理由にはなり得ない。……尤も、彼女──モンモランシーが居るのにも拘わらず、他の女の子に鼻を伸ばすギーシュもギーシュだが。
モンモランシーはギーシュに惚れ薬を飲ませる事に成功した。……薬が効きすぎた℃魔ノ目を瞑ればだが。……どうしていいか判らなくなってしまったモンモランシーは、俺がトリスタニアに在る薬屋に居た事を思い出して俺を頼って来たらしい。
「っと、着いたか?」
「ええ着いたわ。ここラグドリアン湖よ」
「……おお、綺麗だ。流石はハルケギニア1の名勝と言われるだけはあるな」
馬車から出たら、直ぐそこにラグドリアン湖が見えた。琵琶湖程の大きさの湖は正に圧巻≠フ一言で、かの名俳・松尾 芭蕉が松島の句を詠んだ時の気持ちが何となく判った気がした。
「おかしい。こんなに水嵩は無かったはず──ま、良いわ。行くわよ、サイト」
「……? はいよ」
モンモランシーは訝し気な顔をしながら俺を急かし、ギーシュを“レビテーション”で浮かして牽引する。道中、ずっとモンモランシーの膝枕だったので、ギーシュは心無しか嬉しそうな笑みを浮かべている。
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
時は移ろって夜。双月から降り注ぐ光がラグドリアン湖の湖面で乱反射し、それはそれは幻想的な雰囲気を醸し出している。
「食わないの?」
「食べるわよ。……にしても、こんな食料を一体全体どこから出したのよ」
無論、倉庫≠ナある。
「ごめんなさい。……私がギーシュに惚れ薬なんか盛らなければ、こんな事には……」
「……構わないよ。ギーシュは一応だが、友人だからな。キッチリ報酬も貰うし」
「判ってるわよ……」
結果から云うと、水の精霊から“精霊
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