アカデミー編
黄昏
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りたくはない。
いや、正確に言うならば、カトナは蟲が嫌いなのではなく、毒虫が嫌いなのだが。
なぜか歩くたびに、百足やら毛虫やら蜂やら毒蜘蛛やら毒蠍やらを引き寄せる難儀な体質をしている彼女は、毒がある虫が大嫌いで、その延長線で蟲も苦手なのだ。
閑話休題。
カトナはうみのイルカに渡しておいた巻物を受け取ると、同じく立ち上がった犬塚キバを見る。
準備の時間が15分ほどある。今のうちに、道具を準備しておこう。
カトナは自分のロッカーと机の中の物を取りに向かいながら、相手の情報を思い出す。
犬塚キバ。鼻がいい。忍犬とのコンビネーションで戦う。スタミナは低い。動きは速い。忍術のレベルはそこそこだが、頭は良くない。
理由を知らないが、彼は何故かカトナによく突っかかってくる。別につっかかられようとなんだろうと、特に問題はないけれど、彼がナルトとの会話中に入ってくるのは面倒くさくて仕方がない。
カトナは深くため息をついた。
カトナは知らない。
男に変化した状態でキバに接した結果、キバがカトナの本来特有の女子としての甘い匂いを嗅ぎ分け、同性だというのに惑わされ。ついでに自分の嗅覚が大したものでないと言われたような気がして、目の敵にしているということを。
こっちを睨み付け、名前の通り牙をむいているキバと犬を見つつ、カトナは戦う場所を確認する。
フィールドは、屋内(体育館)と屋外(運動場)の二つだが、カトナの戦う場所は屋外らしい。
何でも持ってきていいって言われたから、これとか持っていこう。ロッカーに嫌がらせで入れられていたものをビニールに入れ、カトナは時計を見た後、急いで、自分が戦う運動場に向かう。
運動場では、もう、キバが戦闘準備をして待っていた。
観衆もそこそこ集まっているらしく、結構集中されている。
なら、これから戦う奴にインパクトを与えるのに、ちょうどいいか。
そう判断して、カトナは集まりだした観衆に見せつける様に巻物を開く。
ぼんっという音と共に中から出てきたのは、
「刀か!!」
キバがそう呟いたのを聞きながら、カトナは柄を握りしめる。
なにもおかしいことはない。この試験では、許可さえもらえれば、どんな武器でも使用可能だ。刀を持ってきた生徒だって大勢いる。
しかしながらそれは、他のアカデミー生徒が扱う物よりも、明らかに、桁違いに大きい。まだまだ発展途上の時期の彼らがふるえる刀と言えば、良くて脇差、悪くて短刀くらいなものだろう。
しかしながら、青い鞘に入っている状態でありながらも、その大きさはカトナが持っている状態でもよくわかる。
大太刀。
カトナの身の丈を軽く超えるそれに、観衆が囁きだす。
カトナは我関せずといった様子で、己の刀の名を呼
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