しん・最終話「ネギまとガンツと俺」
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体は闇に溶けておち、消えた。
ロボは首をかしげ、周囲を窺うように動きを止めていたが、それも数秒。何もおきないことに、邪魔者は死んだと判断し、再び歩き出す。
「オオオ……オオオオオオ」
唸りは広がる。
目的はタケル、ただ一人。
「ふん、所詮は中途半端な存在か」
遥か上空、いつの間にか酒を片手にしたエヴァンジェリンが小さな声で呟いた。
「ケケケ、モウ終ワリカ、御主人?」
茶々ゼロも小さな杯を手に酒をいちびりながら、尋ねる。
「ああ、どうやらタケルはまだ戦う気らしいからな。私の出番はコレで終わりだ」
「アノ状態デ……アイツ本気デ狂ッテンジャネェカ?」
さすがの茶々ゼロも呆れたように空を見上げた。
「そうだな、ま……だから奴は見ていて飽きんのだが」
「……同感ダゼ、ゴ主人」
――さて、死ぬかそれとも生き残るか?
笑顔は消えて、表情に残ったのは鋭い視線。
「……」
隣にいた茶々ゼロは、その変化を何も言わずに見つめていた。
巨大ロボの背後11Mの地点。上手い具合に壁がみつかりそこにもたれかかっていた。
楓は既にこの場にいない。きっとどこかで俺を見つめてくれているのだろう。
足元には一振りのソードとZガン。
これも、彼女にもってきてもらった。
本来はガンツに頼めば一発なのだろうが、喉が潰れていて言葉が出ない。念じるだけではさすがにガンツも応じてはくれなかった。
いつの間にか、エヴァンジェリンも戦いを止めて引っ込んでいる。
よって、巨大ロボはウロウロと傍迷惑にも地面を揺らしながら歩いて、標的である自分を探しているわけだ。
さぁ、これで最後だ。
ガンツソードを手に取り、既に使い物にならない右半身を壁に押し付ける。楓に巻いてもらった包帯が血でさらに滲んだ。
壁を右半身に見立て、左腕のソードを右腰に構えた。いわゆる居合いに近い状態。まぁ、刀を振る腕が居合いとは逆だが。
――まだ、気付くなよ?
相変わらず、ロボ星人はウロウロと歩いている。少しずつ遠ざかっているが、まだまだ刀の射程範囲にいる。問題はない。
「ふぅ゛っ゛〜〜〜〜!!」
ギリギリと痛みを覚える体が意識を遠のかせる。
――これで最後だ。だから、言うことを聞いてくれ。
たった、16年。されど16年。色んな修羅場を潜り抜けてきたこの体。
――頼む。
より深く。体を捻った。骨盤が異常を訴える。
無視。
より強く。体を壁に押し付けた。傷が痛みを訴える。
無視だ。
より大きく。全力で息を吸い込んだ。肋骨がついに肺にささった。肺の悲鳴が体に木
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