しん・最終話「ネギまとガンツと俺」
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局は木乃香たちのところへと向かうことは出来ない。
「こ、こいつは本格的にやべぇぜ!」
いま、彼等の目には一体何が映っているのだろう。
「あ、アカン!」
突如、悲痛な声が上がった。
「はやく、行かんと! ウチが治療しに行かへんと先輩が……先輩が!!」
すぐにでも駆け出そうとする木乃香に、カモが「ち、ちょっとまった」と抑えようとするが所詮はオコジョ。どうにもならない。
「い、いけません。お嬢様!」
「せっちゃん! せっちゃんも……せっちゃんもはやく行こ!? たけ……タケル先輩が!! 先輩が!!」
そもそも彼女一人ではこの飛行船から降りることすら出来ない。しかも、今ここから降りればまず間違いなく飛行機のバケモノたちに仕留められてしまう。
木乃香が完全に錯乱状態に陥っている。だが、それも仕方のないことかもしれない。
これほどまでの危機を誰が予想できたろうか。刹那も内心ではタケルが一人でほとんど片付けるであろうと、少しこの状況を甘く見ていた。
あの彼が敗れるなどありえない、といいたいが京都でも死に掛けていた。それほどの敵と遭遇したのかもしれない。
それに、そもそも。
刹那は思う。
今更だが、彼はここに至るまでに幾多もの激闘を繰り広げていたはずだ。
ここにいない絡操さん、マナ。それに超や私達を含めたネギ先生一行。実質4連戦、それまでの小型ロボとの小競り合いも含めれば5連戦を経てきていることになる。
――これでは確かにタケル先生も。
「くっ」
それに気付かずのうのうと戦っていた自分に腹が立つ……が、しかし。今やどうしようもない。空を自在に飛び交う飛行機のようなバケモノに周囲を包囲され、こちらは木乃香お嬢様たちを守らなければならない。
下手に動けば、ただこちらが殺されてしまうだけだ。
――どうしようもない。
今まで何度もお世話になった。
カメのようなバケモノ時に始まり、京都やネギ先生の弟子入り試験、南の島でアスナさんとネギ先生の仲直り。
平凡のようで非凡。
そんな表現が最も適していそうなタケル先生。
その実力、思考能力、常に落ち着いていて大人びた性格。
尊敬していた、という気持ちが今の自分の彼に対する感情にぴったりだろう。
――……私はなんと非力か。
自分を戒めたくなる気持ちで一杯になる。どうしようもないこの状況に、膝を丸めたくなる。が、それは今許されない。
「ふぅぅ〜」
わざとらしく、大きく息を吐く。
これは、タケル先生の真似。
何があっても、心は乱してはいけない。
刃のように心を研ぎ澄ます。
――私はそのタケル先
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