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ネギまとガンツと俺
しん・最終話「ネギまとガンツと俺」
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霊する。

 当然無視。

 より重く。左腕に力をこめた。体全てがまるで敵になったかのように意識に襲い掛かる。

 当たり前だがやはり無視。

 こんなにも苦しく、こんなにも死にそうになって、それでも俺はまだ戦っている。

 本来なら残されていない自分の力を、最後の一滴が出るように絞って、絞って、絞りつくす。

「ぶっ゛」

 血を吐き捨てて、笑顔を。

 今の俺はしっかりと笑えているだろうか。

「――……殿!?」

 楓の声が聞こえた。

 ――大丈夫だ……だから見ていて欲しい。

 君がいてくれれば、俺は戦える。

 ――そういえば、一つだけ。

 理解したことがある。

 確かに、俺は弱くなった。その結果が今の様だ。このまま死ぬことになるだろう。

 だけど、わかったんだ。

 弱くなったけど、俺はきっと以前の俺よりも強い。

 近衛さんが信じてくれた。桜咲さんが手伝ってくれた。エヴァが助けてくれた。そして……楓がいてくれた。

 だから、俺はこうして戦える。

「……くっ」

 かつてないほどに俺は笑っていた。

 ――さぁ、一緒に地獄のランデブーだ。

「お゛お゛――」

 一気に息を吐き出して、それに伴い大量の血液が零れ落ちた。だが、今更だ。構うことではない。

「お゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛ぉぉぉ!!!!!」

 吼えた。

 その声に巨大ロボが反応し、遂にこちらに気付いた。

 だが、もう遅い。

 振るう。

 ――()を。

 伸ばす。

 ――()を。

 壁に体を押し付けることによって得られる反動を振るう力に変えて。

 壁に切り込みを入れつつも、刃は一直線に。下から袈裟状に切り上げる軌道を描いた刃はロボから外れて天に向かい、そして――。

 そのまま外れようとした刃は、ロボの見えない壁、全てを落とす壁の影響を受けてそのまま方向を下に。

 丁度首の部分、刀身が上から下へ向かって袈裟状にめり込み、その刃を残していた。

「ぐ」

 全力で振るっていた刃にかかっていた力のベクトルがいきなり変わったことにより、その衝撃に耐えられず腕からソードが落下。結果として刃が伸びたままのガンツソードはロボの首に袈裟状に入ったまま残っている。

 と、同時。

「オオオオオォオォオォオオオ!」

 ロボが叫んでいた。

 今度のソレは威嚇のそれではない。痛みのソレだ。

 俺の体がズルリと崩れ落ちる。だが、まだ。まだ終わってはいない。

「……」

 意識が遠のく。だが、まだ。まだ終わってはいけない。

「――……せんか!」

 これは、エヴァの声?
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