マクロスF
0701話
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か?」
駅のすぐ側にある喫茶店を眺めながら尋ねるが、どうやらシェリルにはお気に召さなかったらしい。
「やーよ。あんな人の多いところじゃすぐにあたしの正体がバレそうじゃない」
……まぁ、確かに。
シェリルの言葉に思わず納得するも、俺が知っているアイランド1内の施設なんてギリアムに案内して貰った所や、シェリルのライブチケットを入手するべく走り回っている時に寄ったチケット売り場くらいだ。チェーン店の喫茶店とかならともかく、それ以外のきちんとした店とかはあまり詳しくはない。
だが、そんな俺の様子を見たシェリルは口元に小さく笑みを浮かべ、俺の手を引っ張る。
「安心して。別にアクセルにエスコートなんかは期待してないわよ。それにいいお店はグレイスに頼んで調べて貰っておいたしね。ほら、こっちよ」
そう告げ俺を引っ張って行ったのは、渋谷エリアの裏通りにある少し見つけにくくなっている店だった。いわゆる、隠れ家的な店って奴だな。
「ほら、あそこのお店が色々と美味しいし、落ち着いて話せるらしいわよ」
「まあ、シェリルがいいならいいんだが」
店の中は落ち着いた雰囲気を醸し出す佇まいであり、同時に今の俺のような外見の者が入るのは多少気後れするような感じの喫茶店だ。
「いらっしゃい。席の方へどうぞ」
50代程の初老の男に案内されて、席へと案内される。
さすがにまだ朝も早い――午前9時前後――だけあり、喫茶店に客の姿は殆ど無い。いや、普通なら仕事関係の待ち合わせやら、あるいは少し遅めの朝食を取っている客やらがいるんだろうが、ここは幸いシェリルのマネージャーでもあるグレイスがお薦めの店だ。そんな者達が来る事は無いんだろう。
……まぁ、そのグレイスとやらが妙にこっちの不安を掻き立てる相手ではあるのだが。
「さ、好きな物を注文していいわよ」
そう告げ、サングラスと帽子を取るシェリル。すると、帽子の中に収められていたストロベリーブロンドの髪がさらりと零れ落ちる。
って、おいおい。
「いいのか?」
「大丈夫よ。ここのマスターは一流だって話ですもの。……ですわよね?」
「ほっほっほ。確かにお客様が誰であろうと変わりません。銀河の妖精に訪れて貰えるとは光栄の極みですが」
コップに入った水を持ってきたマスターが、小さく笑みを浮かべながらメニューを差し出しながらそう告げる。
「そうね、このお店は雰囲気もいいし、また機会があったら寄らせて貰うかもしれないわ。ほら、アクセル。取りあえず何でもいいから頼みなさい。お姉さんの私が奢ってあげるわ」
「そうか? なら、クラブハウスサンドと、ピザトースト、デザートにイチゴパフェを頼む」
「……そんなに食べられるの? あたしはマスターのお勧めの紅茶
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