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ハイスクールD×D 〜聖人少女と腐った蛇と一途な赤龍帝〜
第2章 滅殺姫の憂鬱と焼き鳥の末路
第32話 模擬戦
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僕達の首筋に火織さんは右手に持った氷輪丸と、新たに左手に創り出した新たな刀を突きつけた。
「チェックメイト」
☆
私は氷輪丸で2人の体を貼り付けにしていた氷を解除した。凍傷になるほどの威力は出さなかったつもりだけど……あっちこっちに打撲や切り傷があるわね。
「アーシア! 2人の治療をお願い!」
「は、はい!」
アーシアが慌てたようにこちらに向かって駆け出す。そして転びそうになったところでレイナーレに支えられつつ向かってきた。そしてその後ろからは部長たちがゆっくりこちらに歩いてきた。
「だ、大丈夫ですか、朱乃さん、祐斗さん? すぐに治療しますからね?」
「ええ、お願いしますわ」
「悔しいけど完敗だね」
アーシアが二人の治療を始めた。
「で、部長。どうでした?」
「……悔しいけど認めるわ。あなた達が私達よりはるかに強いと。黒歌や白音、それにあなた達を鍛えた龍巳も同等の強さなのでしょう?」
「まあそうですね」
それを聞くと部長は空を振り仰いで悔しそうにしていた。こうして力の差をはっきりと見せられたからだろうね。でも少しして顔を私達の方に戻すと、その顔には決意したような表情が浮かんでいた。
「こうなったらもう恥も外聞も捨てるわ。お願い、私達を鍛えてちょうだい。ライザーと戦えるように」
「私からもお願いしますわ」
「僕もかな。負けっぱなしは悔しいからね」
朱乃さんと祐斗も部長と同様決意した表情を浮かべていた。
「分かりました。私達で徹底的に鍛えてあげます。……でもまずはちょっと休憩しましょうか。その間にこの氷輪丸の使い方を教えますから」
そうして皆で私の発案した修行を開始した。
この時私は気付かなかった。イッセーがずっと暗い、難しい顔をしていたことを。
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