第百七十二話 戦を振り返りその九
[2/2]
[8]前話 [9]前 最初 [2]次話
い、それでは」
「兵を雇い具足も鉄砲も揃えましょう」
「今以上に」
「わしはこのことを忘れぬ」
決してだとだ、家康はしみじみとした口調でも述べた。
「織田殿が武田家を退けてくれてな」
「ですな。家を立てなおす金も下さいました」
「有り難いことに」
「義には応えねばならぬ」
家康は持ち前の律儀さも出した。
「では立て直した後ではな」
「はい、織田殿の為に」
「頑張りましょうぞ」
「そうするとしよう。まずはな」
とりあえずはだった、今の徳川家は。
兵をまた雇うことからだった、それからだった。
徳川家は力を取り戻し織田家に応えることにした、信長はその話を加賀に向かう途中で聞いた、そのうえでこう言った。
「ははは、よいわ」
「よいとは」
「どういうことでしょうか」
「礼に思うことはないわ」
家康がだ、彼にそう思うことはというのだ。
[8]前話 [9]前 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ