第十七話 最後の少女その十
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「相手は貴女達を殺す気で来ているから」
「だからだよな」
「そう、そのことは気をつけてね」
「ああ、わかってるよ」
薊はにこりと笑って答える。そうしてだった。
茶室の方に戻る、ここでだった。
裕香が濡れたタオルを差し出してきた、そのうえで薊にこう言った。
「これで足拭いてね」
「悪いね、気を使ってもらって」
「いいわ、やっぱり足が汚れてるとね」
「汚いからな」
「だからね」
その濡れたタオルで、というのだ。
「足を拭いてね」
「そうさせてもらうな、タオルは後で返すからさ」
「いいお友達ね」
鈴蘭は裕香からタオルを受け取って茶室の縁側に座って足の裏を拭く薊にこう言った。
「お友達には恵まれているのね」
「いいだろ」
「そう思うわ。私達と同じね」
「黒蘭ちゃんとかよ」
「そうよ。私達姉妹もね」
「上手くいってるんだな」
「とてもね。私達は二人で一つよ」
鈴蘭はこうしたことも言った。
「だからね」
「お互いに仲いいんだな」
「その通りよ」
「それは何よりだな、じゃあな」
「ええ、お昼休みもね」
この時間も、というのだ。
「終わりよ。だから」
「まただな」
「またお話をしましょう」
これはいいというのだった。
「少なくとも私達は敵ではないから」
「まあ人間同士闘っても意味ないしな」
「そうね、ではね」
こう話してだ、そしてだった。
三人は茶室を出て別れた、薊は裕香と共に教室に向かいながらこう言った。
「あの娘悪い印象はないけれどな」
「それでもよね」
「ああ、仲間にはならないんだな」
「敵にはならないって言ってるけれどね」
それでもとだ、裕香も言う。裕香も薊と同じく残念に思う顔になってだった。そのうえで薊に対して言うのだった。
「それがね」
「ちょっとなあ」
「折角八人全員見つかったのに」
「二人で充分とかな」
「ないわよね」
「ああ、あたしとしてはさ」
人懐っこく寂しがり屋なところもある薊はだった。
「やっぱりさ」
「お友達は多い方がいいわよね」
「友達百人とかさ」
歌のことからも言うのだった。
「そういう感じでさ」
「多い方がいいわよね」
「あたしそう思うしさ」
「私もよ」
「それで二人で充分とか」
「残念ね」
「本当にな」
薊は学校の中を歩きつつ裕香に述べた。
「どうかって思うよ」
「そうよね」
「まあ今は仕方ないか」
「今はなのね」
「ああ、今はだよ」
あくまで今の時点ではと言う薊だった。
「また今度な」
「誘いかけるのね」
「まあどうしてもっていうのならな」
「それならなのね」
「仕方ないか」
薊はこうも言うのだった。
「無理強いしてもよくないしな」
「無理にお友達になって
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