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ハイスクールD×D 〜聖人少女と腐った蛇と一途な赤龍帝〜
第2章 滅殺姫の憂鬱と焼き鳥の末路
第30話 修行開始
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ら10日後まで戦えるようになるかもしれない。
で、まあここまではいいんだが……この荷物は一体何なんだ。今俺と木場は部員全員の荷物を持たされて山を登ってる。俺の体よりはるかに大きいリュックを担がされてるんだよ。山の麓まで魔法陣でジャンプしてきて、これから別荘まで山を登ると思ったら
「男の子なら女の子の荷物を持って当然よね」
なんて言って全員に荷物を押し付けられた。俺もそう思わなくはないけど……この荷物は多すぎだろ! いったい何が入ってんだ!? っていうかそろそろ体力が限界なんだが。隣の木場を見ると木場もいつもの笑顔が崩れ始めてる。汗もすごいな。実戦経験はこいつの方が絶対あるだろうけど体力に関しては今の段階でも俺の方がありそうだな。
「2人共、早くなさい!」
ずっと前の方に行ってる部長が俺たちに発破をかける。
「部長さん、さすがに2人共辛そうです。手伝ったほうがいいのでは……」
「大丈夫よアーシア、このくらい私のかわいい下僕なら簡単にこなせるはずだわ」
部長は俺達を過大評価しすぎです!
「イッセー、頑張る」
「祐斗も後輩に負けてるようじゃダメよ。まだ半分も登ってないんだから」
俺達の後ろにいた龍巳と火織まで俺たちに発破をかける。でもさり気なく後ろからリュックを押してくれるから部長より万倍マシだよな。ほんと、俺の幼馴染は天使です。悪魔と龍だけど。
「そういや火織、ハァ、黒歌姉と、ハァ、白音ちゃんは、ハァ、どうしたんだ?」
「ああ、あの2人なら登山道から外れて山に入っていったわよ」
……何やってんだあの2人は? 猫又だから野生の本能が疼いたのか?
「何か失礼なこと考えなかったかにゃ、イッセー?」
「おわあ!? って黒歌姉!? 脅かすなよ! っていうかどこ行ってたんだ?」
「気配がしたから今晩のおかずにと思って」
そう言って黒歌姉は手に持った戦利品を掲げてきた。それは
「イ、イノシシ?」
「そ、今夜はボタン料理で決定にゃ。あと山菜もいっぱい取ってきたにゃ」
そう言ってイノシシを持つ手とは反対の手に持ったかごを見せてきた。その中には蕗の薹やタラの芽などの一般的な山菜から、見たこともない山菜まで山盛りだった。
「私はうさちゃんです」
そう言っていつの間にか黒歌姉の横に並んでいた白音ちゃんが両手に持った合計4羽の兎を見せてきた。っていうか今から食べる兎をうさちゃんって……
「……何やってるのよあなた達」
そんな2人を見た部長はそう言って顔をひきつらせていた。
「じゃあ各自部屋で着替えた後ここにもう一度集合、その後は修行開始よ!」
「「「「「「「はい!」」」」」」」
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