暁 〜小説投稿サイト〜
リリカルってなんですか?
A's編
第三十二話 前
[6/10]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
魔王の討伐ということになるのだろうが、残念ながら魔王が復活したということはわかっても、その居場所まではつかめていない。だから、僕たちは大陸を一つのパーティ―――ファミリアとして行動しながら魔王の居場所を調べているのだ。

 もっとも、そこの目的には僕を実践に慣れさせるためという目的も入っているが。

 今回もギルドの依頼でリガルドの討伐の依頼を受けたのは、南の街と西の街をつなぐ街道の近くの森にリガルドが異常繁殖し、荷馬車を襲うようになったからだ。いや、異常繁殖だけではこの依頼はこない。さらに悪いことが重なったのだ。

 話によれば、通常であればリガルドは、異常繁殖の末でも森の中の縄張り争いで自然と数を適正値にもっていき、街道へはなかなか出てこないのだそうだ。出てきても、食物を積んでいる荷馬車が街道の近くを縄張りにしているリガルド単体に襲われる程度で、その程度であれば商人の護衛で何とかなるのだが、今回は様子が違った。それがさらに悪いことである。

 異常変種が現れたのだ。

 魔王の復活は、それ単体が魔物を統括するというだけならば、まだよかったのかもしれない。だが、さらに厄介なことに魔王は持っている自分が異常ともいえる魔力を呼び水にして魔物の中に異常変種を誕生させることだ。

 そうして生まれた異常変種の力に通常の魔物が敵うはずもなく、結果として彼らの長として収まる。獣の世界は弱肉強食なのだ。

 今回もそれに付随したものだろう、とみられている。でなければ、商人たちを群れでリガルドが襲うわけがない。現に赤いリガルドを見たという目撃情報も入っているのだから。ゆえに、ギルドへの依頼。そして、僕たちが受けたというわけだ。

 依頼には、内容に応じて難易度が決められるのだが、リガルド単体では難易度はD程度である依頼もさすがに異常変種と組み合わされて、群れになったため、難易度は跳ね上がってBにまでなっていた。最高位がAと続いてSであることを考えれば、どれだけ難易度の高い依頼か理解してもらえるだろう。

 もっとも、僕たちの面々はいわば魔王討伐のために集められた少数精鋭なのだから、むしろこのくらいの依頼はこなしてもらえないと、という感じらしいのだが。

 そして、こういった依頼のときリーダーとなるのはシグナムさんだ。もともと騎士団としても副団長だったシグナムさんであるがゆえにこういった事前の確認や戦場での指揮には向いている。

 もっとも、僕たちのパーティでは戦術らしい戦術はない。基本的には、ヴィータちゃん、シグナムさん、そして、僕が前線を維持し、後衛を護るザフィーラさん、そして、魔法のはやてちゃんと回復のシャマルさんといった布陣だ。

 この中で一番心配されるのが勇者である僕というのが何とも情けない話なのだが、戦いどころか
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ