第四話
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「じゃあ俺たちはそろそろ行くことにするよ、お互い頑張ろう」
「はい、では」
とシリカとアクセルさんが言ってお互い分かれるが、レイヴンさんは
「俺まだ諦めてないからー!!」
と引っ張られながら私に向かって言い去ってゆく。
「私、男なんですけど……」
彼らが見えなくなって私のぽつりとした声とシリカたちのくすくすという笑い声だけが残った。
そして二人は私に向かい
「アハハ、ブラウさんまた告白されちゃいましたね」
「いやー、何度見ても面白いわね。あんたさ、そろそろ誰かの気持ちに答えてあげたら」
「私ノンケなんで、同性と付き合うとか絶対嫌だ」
お腹を抱えるリズの言葉にゲンナリとし、答えた。
「でもブラウさんってほんとに綺麗ですよね、睫毛長くて、顔は整ってますし、体の線も細くてスレンダー……」
「確かにそうね、アスナと同じレベルの美人っぷりだわ。つか何でそんな顔して男なのよ!!」
「いや、親の遺伝?」
「あたしもブラウさんみたいになりたいです!」
両手を胸の前で握るシリカは大変可愛く、小動物を連想させた。
「シリカは今のままが一番だよ」
と言いシリカの頭をワシワシとする。するとリズが
「ねぇ、あたしは?」
と聞いてきたので、
「あー、リズも超可愛いよ」
と言うと「なんかお世辞臭くてムカつくのよ!」といきなり怒り出して殴られた。
……なんか理不尽。
◇◆◇◆◇
「じゃあ気を取り直して鍵探しを再会しよっか」
リズの言葉に釈然としないが、とりあえず同意して探索を再び開始することにした。
現れた敵をひたすら倒し続け、リズがレベルアップしたがまだ鍵は見つからないままだ。
リズがスキルに割り振りをしている間に私たちは小休止を入れることにした。私が壁に体を預けているとシリカが声をかけてくる。
「もう、だいぶ時間がたちましたね」
「うん、確かに。そろそろ帰らないと今日は家で眠れなくなるね」
「そうね、今日は無理しないで明日にしよっか」
と帰る段取りを話しているとき、リズは何となくふとよぎったように言った。
「あのさ、一回例の最奥の扉に行ってみない?何かヒントがあるかもしれないし」
「そういえば私たち、まだ例の扉を見てなかったんだっけ」
リズの言葉に私はが思い出すようにして言った。
「だからさ、最後にそこまで行って明日に持ち越ししない?」
「いいですね、そうしましょう!」
「キュルル!」
シリカの言葉に同意するようにしてピナが鳴いた。
私は手を顎に着け考える。
「じゃあ、行ってなにもなかったら帰る、それでいこっか」
「OK」
「わかりました!」
そして私たちは噂の最奥の扉へ向かった
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