第一話
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私の眼が自然とに視界左上の青いゲージを見る。茅場の話が全て真実ならこれは私の命の残量なんだと。
「……馬鹿馬鹿しい」
私の横でキリトは低く呻いた。そして茅場が
「諸君がこのゲームから解放される条件は、たった一つ。先に述べたとおり、アインクラッド最上部、第百層まで辿り着き、そこに待つ最終ボスを倒してゲームをクリアすればよい。その瞬間、生き残ったプレイヤー全員が安全にログアウトされることを保証しよう」
と唯一の解放される方法を語る。
クラインは立ち上がり右拳を空に向かい振り上げる。
「クリア……第百層だとぉ!?で、できるわきゃねぇだろうが!!ベータじゃろくに上がれなかったって聞いたぞ!!」
クラインの言った通り、ベータテストのときは二ヶ月の期間に千人のプレイヤーでたったの第六層までしか行けなかった。たとえ今回の正式サービスに一万人がダイブしていても百層クリアはどれほど月日のかかるのだろう。
私が思考している間に茅場が右の手袋を動かし感情の感じられない声で告げた。
「それでは、最後に諸君にとってこの世界が唯一の現実であるという証拠を見せよう。諸君のアイテムストレージに、私からプレゼントが用意してある。確認してくれ給え」
それを聞き、私の体が自然にメニュー画面を開き、右手の指二本を使い真下に向けて降った。
アイテム欄のタブを叩き、所持品リストの一番新しいアイテムを見る。
《手鏡》――
なぜ手鏡と思いつつ、アイテムをオブジェクト化して手に取る。
映っているのは、私が作ったマンガなどに出るような爽やかな美少年という感じのアバターだ。
クラインやキリトをみたが特になんともないようだ。そう考えた瞬間周りのアバターたちが白い光が包み視界が真っ白に塗りつぶされた。
光はすぐに消えた。だが目の前にあるのは山賊のような男と現実世界のキリト―――桐ヶ谷和人だ。
「お前……誰?」
「おい……誰だよおめぇ」
キリトが山賊男に聞くのと同じく、山賊男もキリトに向かって声を出した
私は最悪の可能性を否定するために手鏡を再び見る。
映っているのは艶やかな黒く長い髪と紅く輝く瞳に長い睫毛。どう見ても少女としか見えないような線の細い顔に透き通るような肌。すれ違えば十人中七、八人くらい振り向くだろうその容姿は現実世界で嫌悪する私自身の姿だ。
「うおっ…………オレじゃん」
キリトとクラインが鏡をのぞき次にお互いの顔を見合わせ叫ぶ。
「お前がクラインか!?」
「おめぇがキリトか!?」
声が変化していた。おそらくボイスエフェクタが停止したのだ。
驚きに二人が手に持っていた鏡を落とし、破壊音と共に消滅した。
「ってことはおめぇはブラウか!それよりお、女だったのかよ!?」
クラインが私
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