第一話
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ンの指導役も兼ねているらしい。…なるほどね。
私も話してみると思っていた以上に気が合い、そのまま狩りに付き合うことになった。
そうしてクラインがある程度このゲームに慣れて一度落ちると言った時に…事件は起きた。
「なんだこりゃ。……ログアウトボタンがねぇよ」
「えっ?本当に?」
私も《メインメニューウィンドウ》を開くが確かに一番下にあるはずのログアウトが消えていた。
隣のキリトも自分のウィンドウを開いて驚いているようだ。
「……ねぇだろ?」
「うん、ない」
「こっちも」
私はクラインの言葉に頷く。キリトも頷くのだが少し納得していないがという嫌々とした顔をしている。
「まあ今回が正式サービス初日だし、こういうこともあるんじゃない?」
「だな。今頃GMコールが殺到して、運営は半泣きだろうなぁ」
私とクラインがそう言ったら
「そんな余裕かましてていいのか?さっき、五時半にピザの配達頼んであるとか言ってなかったか。ブラウものんびりしてたら晩御飯作るのが遅くてまた愚痴を言われるかもな」
「うおっ、そうだった」
「……確かにそれは勘弁してほしいなぁ。拗ねると長いしね」
クラインは目を丸くして飛び上がり、私は憂鬱な気持ちになった。その姿にキリトは少し楽しそうに笑ったのでイラッとした私はデコピンをしてやる。ホントは殴ろうとしたんだけど、ダメージ有効圏内だからやめておく。
一先ず待っているこの時間を有効に使うため、重量過多で赤くなったアイテム欄の不用品を消す。これ最初のころは全部が貴重に思えてなかなか捨てられなかったんだよねぇ。
隣で喚いているクラインを横目で見ると、整理を終わらせたらしいキリトがクラインの傍による。
「とりあえずお前もGMコールしてみろよ。システム側で落としてくれるかも
「試したけど、反応ねえんだよ。あぁっ、もう五時二十五分じゃん!おいブラウよう、他にログアウトする方法ってなかったっけ?」
傍にいるキリトではなく私の方に声をかけてきた。なんでなのと聞きたい。
「なんで傍にいる俺に聞かずに離れて作業しているブラウに聞くんだよ」
と突っ込んだ。どうやら同じことを思っていたみたいだ、さすが幼馴染。
「だってブラウの方がしっかりしてそうな顔してるし性格も優しいからな」
「顔はキャラメイクで作ったもので本物の顔じゃないだろ」
くだらない話にツボった私が笑いをこらえつつ、作業を終わらせた私はクラインの質問に対しての回答に記憶をたどってみた。
が、クラインの求める答えは特に思いつかなかい。
「残念だけどβ時代も今なくなってるログアウトボタンだけだったし、追加されてたとしても説明書にはなかったかな。…役に立たなくてごめん」
「いや、いいよいいよ。お前が悪いん
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