悪魔の島編
EP.16 復活の兆し
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理、儀式を止めようと最上階へと駆け出す。
「行くぞ!」
「え、デリオラは下だよ!?」
「まだ儀式は終わっていない。叩けば阻止できる、急げ!」
『オオオオオオオオオオオオオオオオオオオ!!!』
「来たァ! ついに来たァ!!」
「ぐ……やばいぞ、ワタル!」
再びデリオラの咆哮が広い空間を震わせ、細かい石くれが天井からパラパラと落ちていく。
待ち望んだ復活にザルティは歓喜し、ナツは轟音に耳を塞ぎながらも慌てた。
「落ち着け、ナツ……おい仮面、質問に答えろ!」
そんな中、ワタルはデリオラの方を一瞥しただけで、ザルティにもう一度、デリオラの咆哮にかき消されないように尋ねた。
「はて、そんなことを聞いている場合ですかな? デリオラが復活したというのに」
「完全に復活した訳じゃないさ。それとも、デリオラってのはこんなにちんけな存在なのか?」
威圧感は大きいものの、現時点ではまだそれだけ。過去に、都市や地方を滅ぼすほどに暴れまわった悪魔にしては感じられる魔力も極々小さな物だったため、その存在が不完全である事を察したワタルは不敵な笑みで言い返した。
そんなワタルに呼応して、ナツも戦闘態勢を取る。
「ならもたもたしてらんねーな! 早いとこ儀式止めねーと!!」
「まあ、待て」
「なんだよ!?」
「仮に今すぐコイツを倒しても、儀式には多分間に合わん。儀式の方はエルザに任せる」
「エ、エルザも来てるのか……」
「ああ。だから今はコイツに専念するぞ、ナツ!」
「ああ!」
悪魔の復活を前に呑気に(ザルティ視点)話している二人の姿に、歓喜の笑みを口に浮かばせながらも、ザルティは呆れと感心半々に口を開く
「いやはや、流石は噂に名高い妖精の尻尾の黒き閃光。火竜君も、戦場での頭の回転の速さには驚かされる。肝も据わっているようですな」
「そんなことはどうでもいいだろう。お前の目的を聞かせてもらうぞ」
「まあ、焦らずに……そうですね――」
仮面の飾りの毛皮をぎこちなく撫でつけながら、ザルティは口を開く。
その言葉は、おそらくはリオン達に隠していたであろう野望の光に満ちていた。
「おそらく、あの小僧ごときにはデリオラは倒せませぬ」
「じゃあ大変じゃねーか! お前が倒すのか!?」
「いえいえ、まさか」
「うるさいぞ、ナツ……で?」
ワタルが続きを促すと、ザルティはニヤリと笑い、己の野望を口にした。
「ただ、我がものにしたい」
「は?」
「不死身の怪物でも、操る術は無いわけではないのですよ、火竜君。あれほどの力……我がものとして振るえたら、さぞ楽しそうではございま
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