第一部 学園都市篇
第2章 幻想御手事件
22.Jury・Night:『Howler in the Dark』U
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、こんなものが?
「あはは〜、漸く気付いたんだ〜? 彼は、逢って五分くらいで気づいたってのにさ〜」
「あ……」
「そういうところからさ〜、もう、君と彼とは役者が違うのさ〜」
そう、こんな……こんな『怪物』が。
「あぁ……あああ」
「逃げる、逃げる〜? どこまで逃げても、『結社』から逃れる事は誰にも出来ないよ〜? そして、敗者には〜」
体、俄に震え始める。痛みではない、恐怖から。目の前の、確実なる『狂気』を目の当たりに。
「――――死が、在るのみだよ〜」
笑顔の仮面の奥に渦巻くもの。赤く、赤く。燃え盛るように赫い、三つの――――
「あああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
絶叫、響く。通行人の全てが、一斉に振り向く。それは、平穏に生きる為には決して見るべきではないものだと言うのに。
『??? ??? ?? ????? ?????? ???? ??? ??? ?????』
恐らくは一生涯、夢に見続けよう。そして、居合わせた不運を呪うだろう。全ては、遅すぎるが。
『??? ???? ????? ?????? ??? ????? ??? ?????――――』
「い、ぎィィィィ! 待って、止め――――!」
ただ一人、路上でのたうち回る男の姿。まるで、『見えない猛獣達』にでも襲われているかのように。
『あはは――――』
その体が、徐々に消える。貪り喰われるかのように。腕が、足が、脇腹が――――惨たらしい音、獣達の息づかい。
空腹を、嗜虐を満たす事を許可された『不可視の獣達』が肉を裂き、骨を砕き、血液を舐め、臓物を啜る音が響く。
『あはははははははははははははは、あはははははははははははははは、あはははははははははははははは!!!!!!!!!』
パニックに陥る事もできず、ただ凍り付いて、その悪夢を眺める事しか人には出来ない。
そんな静寂をあどけなく、狂ったような哄笑。『彼』以外の誰にも聞こえる事無く、虚空のみを揺らして。
「た――――」
最後に残った左腕、伸ばしたのは――――虚空。誰もいない、何もない。
しかし、そう、届くのだ。今、この時だけは、無慈悲にも。
ぶつり、と。軽くその腕を食い千切った――――『獣の顎』が。
「たす、け」
言葉、最後までは届かない。そうして、全て。『彼』が存在した証拠の全ては、虚空に貪り食われて。
漸く、思い
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