§59 叛旗の理由
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うゴーレムなら浪漫兵器を実現できるはず。
「とりあえずは荷電粒子砲やレールガンを実現するために物理勉強しなきゃ」
「そこはきっちり勉強するんだ……」
「で。貴方はなんという名前なのですか?」
恵那の呆れ声を背景に、リーダーっぽい人に聞いてみる。仕立ての良いスーツを着たイケメンだ。コイツも敵だ、などと思って苦笑。存外自分は重傷だ。しかし滅茶苦茶そわそわしているのだが、何か言いたいことでもあるのだろうか。
「はっ。ダヴィド・ビアンキと申します。若輩の身ではありますが、地相術師として修練を積んでおります。遅くなりまして申し訳ありませんが、神殺しの御身に我が畏怖と敬意を捧げさせていただきたい」
取り込み中だから今まで言わなかっただけで、目の前のイケメンは今の言葉を言いたくてたまらなかったらしい。すごい早口。
「聞いてたかどうかわかんないんですが、上司います? いなかったら、パシ――――いえ、今後協力してもらえないでしょうか」
「…………」
流石に「パシリになれ」とは言えない。部下になれ、とも言えない。協力機関でいいや、などと即考えを変える辺り黎斗のメンタルの弱さが浮き彫りになる。恵那の視線が微妙なものになったのもしょうがない。大方「ヘタレ」だとでも思っているのだろう。まったくもって反論できない。
「協力など。歯向かった我々をお許しくださるばかりか使っていただけると。貴方様に従う者の末席に咥えて頂ければ恐悦至極にございます。我らの命は御身の思うように使い潰して頂ければ、これに勝る幸せなどありません」
「なにこれこわい」
ちょっと待て。いくらなんでも心酔しすぎじゃなかろうか。カンピオーネに対する一般のイメージは今の時代こんななのか?
「……なんでそんなに下手なんです?」
思わず聞いた黎斗は多分悪くない。
「いえ。昔、といいますか少し前に恐れ多くも神殺しの魔王陛下に楯突いたことがありまして」
なんとまぁ勇敢な。
「当然、相手になりませんでした。当時、あの方は魔王になられたばかりで、その前はただの一般人。なれば私でも勝てるやも、などと思い上がっていたのです」
なんとなくオチが読めた気がする。ボコられて心酔パターンか。
「あの時、私は自らの愚かさと共に神殺しの方々の偉大さを実感したのです。たとえどんな人間でも、神殺しの方々は他の人間とは違うのだと」
やっぱりか。そしてそれが、今回の件に繋がると。
「故に御身が詐称している、という噂を鵜呑みにしてしまい今回のような凶行に走ってしまったのです。本当に、申し訳ありません」
過激なファンみたいなものだろうか、などと若干ピント外れに思考が移る。そうしている間に土下座してしま
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