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白井雪姫先輩の比重を増やしてみた、パジャマな彼女・パラレル
第10話『告白』
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10話

計佑は今、眠っていた。
雪姫がようやく落ち着くと、茂武市たちと共に雪姫の伯父の車に乗り込んだのだが、
その後すぐに寝込んでしまい……部屋に運ばれた今も、そのまま苦しそうに眠り続けている。

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「ホントにヒドくやられたね……」
計佑を診察した医者──雪姫の伯父が、雪姫、硝子、茂武市、カリナの4人に計佑の状態を説明していた。
「打撲はあちこち……右手は擦り傷も酷いけど、ヒビが入ってる指もあった。そして、肋骨も折れてるみたいだね」
黙って話を聞き続ける4人。
「傷口にバイ菌が入ってしまったんだろうね。今熱が出ているのはそのせいだろう。抗生剤は与えたから、明日までには落ち着くと思うよ」
立ち上がりながら、伯父が言葉を継ぐ。
「ともかく、今はゆっくり寝かせてあげなさい」

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玄関へと向かう叔父に、雪姫がついてきていた。
「あの……伯父さん、本当にありがとうございました」
「いやいや……そんな事より勇敢な少年だね彼は。……雪姫ちゃんの白馬の王子さまってところかな?」
伯父は靴を吐きながら軽口を叩いてみたのだが、雪姫が無反応なのにおや、と思う。
振り返って見ると、雪姫は顔を赤くして目を伏せていた。

──へぇ……あの雪姫ちゃんが。これはホントに……?

『雪姫ちゃんはさぞもてるんだろう? もう彼氏の一人や二人くらい──』
そんな風に雪姫がからかわれるのはよくある事だったが、
雪姫はそれにいつも困った顔で、しかしはっきり否定はしていた筈だ。

──まあ……幸雄と闘うことになるんだから、あれくらい頑張れる男の子じゃないと厳しいものなぁ……

弟の事を考えると少年の今後がちょっと不憫になったが、それ以上は会話を続けず、伯父は屋敷を去るのだった。

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──パタン。

計佑が眠る部屋に入った雪姫が、襖を閉めた。
グロー球と田舎ならではの明るい月光のおかげで、部屋は意外と暗くない。
特に何が出来るという訳ではないけれど、もしかしたら状態が急変することだってあるかもしれない。
だから交代で様子を見よう。そういう話になったのだが、雪姫はそれを一人で引き受けた。
──というより、自分だけにやらせて欲しいと頼んだ。
こんな事になったのは自分のせいだから──と。
勿論カリナや茂武市はそんな事はないと否定したけれど、雪姫の気持ちも汲んで引き下がってくれた。
ただ、硝子だけが渋る様子を見せていたけれど……

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