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白井雪姫先輩の比重を増やしてみた、パジャマな彼女・パラレル
第10話『告白』
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かったんだろう?
入学式の日、確かに綺麗な人だと思った覚えはある。
これだけ綺麗な人は滅多に見ないのだから、
少なくとも終業式の日には思い出してるのが当たり前だろうに……なんでそんなに鈍かったんだろう?
──あの頃よりはちょっと成長した少年は、そんな風に過去の自分を不思議がっていた。
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「それにしても……ふーん。計佑くんは、私のことなんてすっかり忘れてたんだね……」
雪姫はすねた顔と口調を作って、計佑を責めてみた。
「やっ、忘れてたわけじゃ!! 覚えてますよ、ちょっと一致しなかっただけであって!!」
あせあせと弁解してくる計佑の姿が可愛くて、雪姫はまた微笑に戻った。
──まあ……忘れてしまってたワケじゃないんならまだいいのかな……
覚えてないんだ……と一瞬がっかりしたが、そうでもなかったようだ。
気づいてなかった、が正しいみたいだけど、それでもやはり、ちょっと微妙な気分にはさせられた。
──そりゃあ確かに1分も話してなかったんだけどさ……
それでも私はずっと覚えてたし、すぐに気付いたんだけどなぁ……あれ? でも──
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「でもそれじゃあなんで裏門の時……計佑くんも思い出してくれてたからじゃないの? 私の顔を見てぼーっとしてたのは……」
「あ、いえ。あれはただ、ホントにキレイな人だなぁって見とれてただけで」
その時の事を思い出して、計佑は何も考えずそのまま言葉にした。
「……えっ……!!」
それに雪姫が息を呑んで、かああっと赤くなっていく。
その様を見て、自分が今言った言葉の恥ずかしさに気付いた。
──な、何言っちゃってるんだよオレっ……先輩を口説きでもするつもりかよっ……!!
勿論そんな意図はなくて、
ポロリと本音がこぼれただけの話なのだが、だからこそ恥ずかしさもひとしおだった。
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──嬉しいっっ……!!! 計佑くんが、私のコトを綺麗って……!!!
他の男に言われても胡散臭いとばかり思えて、父親からのそれは親の欲目だろうとしか思えなかった言葉。
でも計佑の口から聞くその言葉は、まるで別物だった。その甘さは格別で、一気に心臓が早鐘を打った。
下心のない『本当の優しさ』。
自分の事より人の無事を喜べる『本当の強さ』。
こんなに優しくて強い人、他には知らない。
そんな憧憬の気持ちに、今の一言の嬉しさが加わって──
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