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白井雪姫先輩の比重を増やしてみた、パジャマな彼女・パラレル
第10話『告白』
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……でも、どうやって見つけてくれたの?」
「え、あ!? そ、それは……!!」

──マズイ!! そんな言い訳は考えてなかった!! ええとええと……!!

必死で頭を働かせながら、適当なセリフを繰り出す。

「……コンビニの帰り道。オレと須々野さんもあいつらにちょっと絡まれたんですよ。
それで……あいつらの車を覚えてて……で、先輩の荷物を見つけた時に、きっとあいつらだろうと思って。
……それでとにかく捜さなきゃって思って走り回ってたら……偶然、やつらの車を見つけて……みたいな?」

──めちゃめちゃ雑じゃん……偶然て!! 無理がありすぎる……!!

冷や汗ものだったのだが、雪姫は笑ってくれた。

「ふふっ……偶然、か。すごい勘だね? 予知能力者とかみたい」
「はは、あはは……」

雪姫の目の尊敬の色がまた強くなってしまったような気がするが、引きつった笑いを返すしかなかった。

「私も……計佑くんみたいになれたらな……」

うっとりしたような顔で見つめられて、いよいよ居心地が悪くなる。

誤解でそんな風に思われても……と計佑は考えてしまうが、雪姫が見ている計佑の本質は決して誤解ではない。
しかしそれは、根が謙虚な少年には分からない事だった。

「今回のコトだってさ……
私がバカで、意地を張っちゃったせいなのに計佑くんのほうが謝るんだもん。
それにボロボロなのは計佑くんの方なのに、私が無事でよかったとか笑うなんてさ。
そんなの……反則だよ……」

そこまで言って、雪姫は瞳を伏せてしまった。
その顔は少し赤くて、でもなんだかちょっと拗ねてるようで。
責められてるのかな? と鈍い少年はそう考えて、

「えーと……すいません」

謝ってみた。雪姫が吹き出す。

「もうっ。だからなんで謝るのっ」

雪姫がコロコロと笑って。計佑もつられて笑い出した。

「ってて……!!」

おかげであばらに痛みが走った。もう一度横になる。

「だっ大丈夫!? 」

雪姫が慌てて身を乗り出してくるが、

「大丈夫です、ちょっと笑いすぎただけですから」

そう笑いかけると、ほっとした様子で雪姫もまた横になった。
そしてわずかの間、沈黙がおりて。やがてまた、雪姫が口を開いた。

「……ねえ計佑くん。
ちょっと不思議だったんだけど……私と初めて会った時は結構泰然としてたよね?
でもちゃんと話すようになってからは、なんかこう……あんまり余裕がないっていうか。
そんな感じで私に接するよね? それは……どうしてなのかな?」

何かを期待するような瞳で尋ねてくる。

「泰然と……ですか? 初めてって、裏門から逃げた時ですよね……?」

胸を触って
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