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白井雪姫先輩の比重を増やしてみた、パジャマな彼女・パラレル
第9話『雪姫の謝罪「私が悪くて、バカだったからなのに」』
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、計佑は息を漏らすしか出来なくなっていた。

「何なんコイツ……ホントムカつくわァ。テメーみてぇな王子様ぶってるやつが一番ムカつくわァ〜」
髭男がまた刃物を取り出した。
「嬲んのも飽きたしなァ……もう殺しちまうかコイツ」
「──!!」

金縛りにあっていた雪姫が、その言葉に立ち上がった。

「んんんーッ!!」

髭男のほうに駆け出すも、

「てめーは後だよォッ!!」

敵うわけもなく、弾き飛ばされる。

「じゃあなァ王子様ァアアア!!!」

──ドッ!!
──計佑の左胸に、ナイフが突き立てられた。

─────────────────────────────────

「……え……?」

──突然、女の子の声が聞こえた気がした。
自分の声の筈はない。自分の口はガムテープで塞がれたままだ。
けれど、そんな事はどうでもよかった。
そんな声を意識に留めている意味などなかった。
今、雪姫の意識にあるのは、ナイフを突きこまれてしまった少年の姿だけ──

─────────────────────────────────

「おぉーさすがコーちゃん!! 躊躇ないね〜」
帽子男の賛辞にニタリとしてみせる髭男。
──その右腕に、計佑の手が絡みついた。
髭男がバッと少年に視線を戻す。

<i>「よくも……先輩に……!!」</i>

──ファンファンファン──

帽子男がその音にいち早く反応した。

「!! ヤベェよ、こいつサツ呼んでやがった!!」

帽子男は言いながらさっさと逃げ出す。

「離せコラァ!!」

利き腕を抑え込まれた不自由な体制で、髭男が必死に拳を振るう。
しかし、計佑は男の腕にしっかりとしがみついて離さない。

<b>「放せよオラァァァァァ!!!!」</b>

─────────────────────────────────

──結局、犯人は二人とも警察に捕まった。
警官が計佑の為に救急車を呼ぼうともしてくれたが、結局それは必要なかった。
茂武市とカリナも直にやってきたのだが、
二人を車に乗せてきたのは、雪姫の伯父──医者でもある──だったし、計佑の負傷は急を要するものではないからだった。

─────────────────────────────────

「いっ……てて……」

ゆっくりと計佑が身を起こす。

「計佑くんっっ!!!」

戒めを解かれた雪姫が、計佑に縋りついてきた。

「大丈夫っ!!?? 大丈夫なのっっ!!??」

計佑の体をまさぐってきて、

「だ……大丈夫です……あでも……あんま押されるとちょっと苦しいかも……」

その言葉に雪姫は慌てて手を引っ込めたが、また質問を重ねてくる。
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