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白井雪姫先輩の比重を増やしてみた、パジャマな彼女・パラレル
第9話『雪姫の謝罪「私が悪くて、バカだったからなのに」』
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だったら、きっと電話には出ずに電源を切っていた筈だ。
計佑から距離をとるのにちょうど良かったから──そうやって逃げた結果が、今の状況だった。
──本当にバカだった。
後にして思えば、計佑が自分を馬鹿にして笑った訳じゃないのはわかりきった事だった。
自分だって、度々計佑の振る舞いに吹き出していたじゃないか。
それが、あの時はたまたま立場が入れ替わっただけ──そういう風にすぐに気付けていれば。
むしろ彼に近づけたのだと、嬉しい事なのだと分かった筈なのに……
「じゃあそろそろ紳士タイムは──」
男がまた近づいてくる。
──助けて……お父さん!!! お母さん!!!
心で助けを呼んでも、両親がここに来てくれる事なんてありえない。
無理に決まってる。
可能性がまだあるとしたら──
<b>──助けてぇぇ!!! 計佑くん!!!!</b>
<b>ガシャァアアン!!! </b>
体育倉庫のドアが派手な悲鳴をあげた。男たちが弾かれたように振り返る。
そこにいたのは──
──……計佑……くん……!!!
雪姫の絶叫に答えるかのようなタイミングでやってきた少年が、そこに立っていた。
─────────────────────────────────
恐れていた通りの、しかし最高にありがたい情報を持って、屋敷を飛び出そうとした計佑の所に飛んできたまくら。
計佑はまくらの案内通りに自転車を走らせ、ノンストップで校内に乗り入れ、まくらの指示通りに倉庫へとひた走り──
「せっ……先輩……」
はあはあと、熱い息を吐く。
計佑の視界には、男二人と、ガムテープで自由を奪われた雪姫がいて──
「……何だお前……こんなトコに何しにきてんだァ?」
──計佑は完全にキレた。生まれて初めて、殺意というものを覚えた。
<b>「先輩を助けにきたんだよぉおお!!」</b>
立てかけてあったバットをひっつかむ。
<b>「先輩から離れろクソヤロォオオ!!」</b>
そして思い切り振り回した──が、ヒゲ男はあっさりとかわしてしまう。
「ああ……お前このオンナのツレかよ」
ヒョイと間合いを詰められ、手首をつかまれた。
「……!!」
「ヒョロい体してナメてんじゃねーぞォ!!!」
ヒザを腹に叩きこまれた。
「──ゴフッッ!!!」
「調子こいてんじゃねーぞクソがァ!!」
「オラオラァ!!」
膝をついてしまった計佑に、男二人がさらに蹴りを入れてくる。
為す術なく倒れこんでしまうと、男たちはさらに容赦なくケリを入れてきて。
計佑は身を丸めて、ただ耐える事しか出来なかった。
ひとしきり暴行が続いて、ようやく飽きたのか蹴りが止む。
「……ぁ……」
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