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白井雪姫先輩の比重を増やしてみた、パジャマな彼女・パラレル
第8話『初めての名前。初めてのすれ違い』
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──ピッ……

はあ……と、通話を終えた雪姫はため息をついた。
ただでさえ凹んでいたところだったのに、ダメ押しで水を差されてしまった。

──早くみんなのところに戻ろう。花火して騒げば、また楽しい気分に戻れるよね……

どんな顔をして計佑と顔を合わせたらいいか分からなかったが、
どの道戻らないわけにもいかない。とりあえず気を取り直して、小走りで屋敷へと戻る。
途中、大声で騒ぐ二人に気づいて。
目を合わせないようにしながら速度を上げたが、男達は一人きりの女などという『おいしい獲物』を見逃さなかった。
「はーいちょっと待ったー」「通行料金は5万円でーす」
二人がかりで雪姫の前に立ちふさがってきて。
「なっ……何ですか」
「おっカワイー当たりじゃねコイツ」
無精髭の男が帽子の男にニヤけた顔を向ける。
「よっしゃ今からパコろーぜ」「おいでおいで」
二人がかりで傍に停めてあった車に引っ張ろうとしてくる。
「ちょっと放してっ」
身をよじっても手を離す様子のない男達。本気で恐ろしくなってきて、
<b>「いい加減にしてくださいっ!!」</b>
切羽詰まって、思わず全力で髭男を突き放してしまった。
ヨロリとする髭男。
<i>「……オマエ何つきとばしてくれてんの?」</i>
「……え?」
低くなった男の声に雪姫が振り返る。
<b>「何調子こいてんだこのクソ女ァ!!! 超ォォムカツクわーー!!!! 」</b>

<b>──ガンガンガン!!!!</b>

髭男が、自分たちの車だろうにガスガス蹴りまくる。
その振る舞いがあまりにも怖くて、硬直してしまう。
……もう、逃げることは出来そうになかった。

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まくらは、一人でぼんやりと散策を続けていた。
海から戻る道中、パジャマに服装が戻った後
「しばらく一人で散歩したい」と計佑に告げてからずっとふらふらとしていた。
途中、中学校を見つけてそこの野球部の練習を眺めたりして。
それでもやっぱり、気分は沈んだまま──そんな時だった。
<b>「放してっっ!!」</b>
聞こえてきた悲鳴に、はっと顔を向けるとそこには雪姫と二人の男がいた。
無精髭の男が片手で雪姫の両手を抑えて、反対の手には刃物を持っている。
帽子の男は、ガムテープを手にしていた。
<b>「放し──ム!!」</b>
帽子の男が雪姫の口にガムテープを貼りつけた。
「だからお前チョーシコイテンじゃねーよ……大人しくしてりゃ、ちったぁ優しくしてやっからよ」
髭男が雪姫の顔にナイフを突きつける。
<b>「やっやめろっ!!」</b>
駆けつけたまくらは、転がっていた板切れを掴むと思い切
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