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白井雪姫先輩の比重を増やしてみた、パジャマな彼女・パラレル
第8話『初めての名前。初めてのすれ違い』
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める雪姫を見て、硝子が計佑に話しかけてきた。
「仕事の電話とかみたいだね……じゃあ先にゆっくり行っとこうか?」
「そう……だね」
萎れさせてしまった罪悪感で後ろ髪を引かれる思いだったが、
上手い謝罪が思いつかない事もあって、結局二人でゆっくりと堤防沿いの道を帰っていった。
<b>「ギャハハハ!! チョーウケんだろそれ!!」</b>
<b>「っしょー!?」</b>
道中、ガラの悪そうな二人組が堤防に腰掛けて騒いでいた。
硝子のほうが堤防沿いを歩いていたのだが、計佑は無言で硝子と場所を入れ替わった。
そのまま足早に通り過ぎたが、一瞬チラリと計佑が視線をやると、
<b>「だっせー地味ねーちゃんダナァオイ!!」</b>
無精髭を生やした男がそんな罵声を浴びせてきた。
──うわ……ホントにろくでもないヤツだったな……
「……須々野さん大丈夫?」
「えっ!? 大丈夫、気にしてないよ」
慌てたようなその反応に、やはり傷ついているのだろうなとは思うも、それ以上何を言えばいいか分からなかった。
「優しいね……ありがとう、さっきは場所も変わってくれて」
なのに、ちょっと赤い顔で硝子が礼すら言ってくるので慌てて、
「えっ? 別に礼を言われるような事でもないと思うんだけど……」
困惑していたら、硝子は微笑むと
「……目覚くん、なんだか白井先輩と仲いいよね」
「えぇっ!? そっ……そうかな?」
思いがけない言葉に、大いに焦ってしまう。
そんな計佑を見つめる硝子の表情が、一瞬沈んだ。
自分が礼を言った時より、雪姫の話題を出した時のほうが少年の反応が大きい──
そのことに硝子は複雑な心境になったのだが、そんな事をこの少年が気づける筈もなく。
「まくらがさみしがるよ? 目覚くん取られたって」
「はぁ? いや、あいつとはそんなんじゃねーから」
計佑はあっさりと否定したが、そんな態度に硝子はちょっと困った顔をした。
「……まくらさ ああ見えて弱気なトコあるからちゃんと見ててあげないと。
まぁ幼馴染だからあえて言わなくてもわかってるんだろうけど。
まくらはヘンに強がって、思ってる事と違うこと言っちゃったりする時あるから……」
そんな硝子の言葉は、確かに計佑もわかってはいることだった。
──……そうなんだよな……
オレも前はアイツのそんなとこもわかってやれてたハズなんだけど。
でもなんだか最近のアイツはよくわからないトコがある……
霊になってしまったせい……とかなんだろうか?
そんな事を考えている内に、迎えにきていた茂武市とカリナと合流できた。
計佑はしかし、そこで別の疑問が浮かんだ。
「……先輩……遅くないか……?」
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