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白井雪姫先輩の比重を増やしてみた、パジャマな彼女・パラレル
第8話『初めての名前。初めてのすれ違い』
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パニック状態に陥り、もうさっき浮かんだ考えなど吹き飛んでしまっていた。
「わ……わわ!!」
そんな計佑を微笑んで見つめていた雪姫だったが、
拭き終わった後に、その表情をニマっとした笑顔へと変えた。
その見慣れた表情に、動揺していた計佑の意識がギクリと回復する。
「じゃあ……私のことも雪姫って呼んでもらおっかな?」
「いいっ!?」
案の定、ムチャ振りがやってきた。
「ほらっ『雪姫』って呼んでみて?」
「いやそれはっ、流石にちょっと!!」
からかわれてるだけなのはわかっていても、焦るのは止められない。
「じゃーハードル下げてあげるからー。『雪姫先輩』なら平気じゃない?」
ニマニマしたままの雪姫。絶対計佑には無理だとわかってる顔だ。
「ホント勘弁して下さいっ!!」
もうまともに雪姫の顔も見れなくなって、計佑が必死に顔を逸らすと、
「あーもー!! ホントにカワイイぞーこらー♪」
雪姫は計佑の頬をつついてきて。
──なんだよもー、このヒトはっ……!!
すげー美人なのに、言うことやる事はなんかカワイイような……
反則だろそんなのっ……!!
以前は苦手だったはずの雪姫のイタズラを、いつのまにかカワイイ振る舞いだとも感じてしまっている計佑。
なのに鈍すぎる少年は、やっぱりまだ何も自覚できないままだった。
─────────────────────────────────
夕食の後、茂武市とカリナを片付け班として屋敷に残し、
計佑、雪姫、硝子の三人はコンビニへ花火やお菓子を買いに来ていた。
花火は勿論のこと、お菓子にジュースに──ついでとばかりに、雑貨なども買い物カゴに放り込んでいく三人。
そうして物色が済んだところで、雪姫が
「会計は私が済ますからっ。二人とも先に行ってていいよ」
なんだか慌てた様子で計佑や硝子の分のカゴまでレジカウンターに持っていく。
そうは言っても、計佑としても、女子一人にまかせてしまうのは抵抗がある。
硝子と二人でカウンターへ向かうと、雪姫が焦った顔をして計佑を振り返ってきた。
「? どうしました?」
「……何でもない」
そう言って店員のほうに向き直る雪姫にちょっと疑問を感じるが、
食い下がる必要も感じずに黙ってスキャン作業を見つめる。
「……あれ? 子供向けのストラップがなんで?」
ふと目についた、可愛らしいくまちゃんストラップについ疑問が口をつく。
視線は硝子のほうに向きかけたが、
「……私よ……悪い? あつめてるんだもん」
赤い顔をした雪姫が小声で答えてきた。
一瞬意外に思ったけれど、
──いや、そうでもないか……なんか振る舞いとかも子供っぽいとこあるもんな。
やっぱり意外と可愛らしいんだな先輩……
なんとなく微笑
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