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問題児たちが異世界から来るそうですよ?  〜無形物を統べるもの〜
王と女王 B
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鳴央は膨大な数の球体を放ち、パックはそれを杖から出した闇で対処する。
それは奈落と闇で共通する部分があったのか相殺し、さらにパックは杖の先から炎を放ったり水を放ったりして鳴央にダメージを与えていく。

「ほら、どうしました?その調子ではわたくしに八つ当たりすることなど夢のまた夢ですよ?」
「くっ・・・『奈落落とし(アビスフォール)』!」

鳴央はそんな状況でも球体を作り出して、少しでも攻撃を神隠しに会わせていく。
それでも消しきれない分や球体の範囲を超えている分が鳴央自身に襲いかかるが、それでも鳴央は、膝をつくとすらなく消滅の力を操っている。

「はぁ、はぁ・・・」
「もう終わりにしませんか?わたくし、女性を痛めつける趣味はないのですが。」

そして、対照的にパックは無傷である。
このカラクリ、実はパックはオベイロンから神格を与えられている。そうして精霊の中で最高クラスまで上がった力と身につけているギフト。それをもって、ここまで戦っているのだ。

「・・・それでも、私があなたを倒さないといけないんです!」

そう言いながら鳴央は球体をいくつも同時に放ち、目の前に残した一つに向けて手を突っ込む。

奈落の門(アビス・ゲート)!」

奈落の門。二つの奈落をつなぎ、空間を超える技だ。
鳴央はそれの対象をあえて絞らず、偶然つながった一つから手を突き出して・・・その手に、天狗の団扇を呼び出す。

「風よ!」
「ふむ、東洋の妖精の力ですか。」

それをこれまでの何倍もの勢いでふるい、自分が近くにいたら巻き込まれたであろうレベルの竜巻を引き起こす。
さらに言えば、今回空間を超えてふるったことで鳴央本人への反動すらなくなっている。反動に耐えることのできない鳴央が編み出した、鳴央だからこそできる方法である。

だがしかし・・・それすらも、パックの杖から放たれた風によって相殺される。
それを見て・・・ついに、鳴央は膝をついた。

「・・・ご理解いただき、ありがとうございます。せめて苦しまないよう、気を失った状態で贄とさせていただきますので。」

その鳴央の様子を諦めと取ったパックは、その意思を狩り取るために鳴央に近づく。
そして・・・ある位置を超えたところで鳴央の表情が変わったのを見て、進むことを躊躇ってしまう。

「貴女・・・なぜ、まだそんな表情を、」
「『奈落の世界(アビス・ワールド)』!!!」

そして、行動をやめてしまったパックの分か、鳴央は行動を再開した。
片手を床に叩きつけ・・・そこを中心に、半径二メートルの範囲で球体が形成される。

「これは・・・!?」
「ここは、奈落の世界・・・この中にある全ての空間が、あなたを奈落へと導く入口です。」

パックが驚いている前で
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