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問題児たちが異世界から来るそうですよ? 〜無形物を統べるもの〜
王と女王 B
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がら一輝は鎖に手を伸ばし・・・
「ダメ!その鎖に触らないで!」
音央がここに来て初めて声を張り上げたので、手を止めた。
「・・・その鎖から、生贄を流し込むの。触った瞬間に、その人は生贄になるわ。」
「ああ・・・取り返しに来た時のための処置、だろうな。ったく、面倒な・・・」
本気での苛立ちを頭をガリガリと掻くことで抑え、一輝は音央に問う。
「なあ、何かどうにかする方法知らないか?」
「・・・あるわよ。簡単なのが、一つ。」
「そりゃいい。教えてくれ。」
「私を殺せばいいのよ。」
気軽に聞いた一輝に対して、こちらもまた気軽に、さも当たり前のことであるかのように音央が答えた。
「・・・このゲーム、勝利条件の中に私の殺害が含まれてるのは、分かってるでしょ?それで、オベイロンは私が死んだらまず間違いなくキレて・・・攻撃が単調になる。そうなれば、ギフトなんかなくても一輝なら楽勝でしょ?」
そう、それもまた事実であり、正論だ。
今回のゲームにおいて必要となる条件は、王と女王の殺害。さらに、今音央がいった順序で殺していけばまず間違いなく言った通りの結果になる。
だが・・・そんな正論は、
「ふざけんなよ、お前。」
一輝にしてみれば、正論ではない。
「・・・ふざけてないわ。いたってまじめよ。」
「なら、自分が死んでいいとでも?」
「ええ。どう考えても、それが一番有効だもの。」
「そうだな。確かに、その方法なら確実にこのゲームをクリアできるだろうよ。女王の殺害がクリア条件に含まれている以上、そうしないとゲームクリアにはならないだろうしな。」
「分かってるじゃない。なら、」
「だがな。」
一輝の声は、これでもかという位低く・・・怒りが込められていた。
「俺は、そんな選択を認めない。」
「・・・それなら、どうするのよ?」
そんな一輝の声に対する恐怖が音央の声には存在していたが、音央はそれ以上の感情でそれどころではなかった。
「なら、どうするって言うのよ。他に手段があるの?オベイロンが私の事をあきらめるとは思えない。そして、このゲームも開催されてしまってる。それならもう、私が死ぬのは避けられないじゃない?それ以前に、もう私は弁論の余地もないくらいの生贄を捧げられてるのよ?そんな私に、生きてる資格なんて、」
その瞬間、パン!という乾いた音が・・・一輝が音央の頬をひっぱたいた音が、その場に響き渡った。
一輝は眼を伏せ、手を振りぬいた姿勢で。音央は驚きで目を見開き、一輝を視る姿勢で固まっている。
「な、何を・・・」
「もう一度言うぞ。ふざけんなよ、お前。」
そして、一輝は音央の胸ぐらをつかみ、顔をぶつけるくらいの勢いでひく。
「ふざけんなって、だって
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