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問題児たちが異世界から来るそうですよ?  〜無形物を統べるもの〜
王と女王 B
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、鳴央は何もない場所に手をついて立ち上がる。
今形成されている球体。この中にある全てが鳴央の意思に従って動く、敵を奈落へと落とす入口だ。
そして、鳴央の発言を裏付けするようにパックの体が吸い込まれ始めた。

「な・・・そんな馬鹿な!?これほどの消滅の力を、広範囲に展開するなど、」
「普通なら、出来ないでしょうね。でも、今の私には出来ます。・・・音央ちゃんを助けるためなら、どんな力でも手に入れて見せます。」

それが、鳴央の覚悟。
そして、その意思の力はこうして形をなした。

「・・・ですが、呑みこまれるよりも早く貴女を倒すことができれば!」

パックはそう言いながら杖を構え、その先端から隠し刀が展開すると消滅していく体を無理やりに動かして鳴央に向けて突き出し、

「『奈落の門(アビス・ゲート)』。」

その空間に吸い込まれ、パックの心臓の前の空間から突き出てくる。
そのままその刃はパックの心臓を突き刺した。

「・・・カフッ。」
「言いませんでしたか?今ここは、全てが奈落へとつながる入口なんです。」

そう、鳴央とパック以外の全てが鳴央が作り出す穴と同じになっているのだ。
だからこそ、鳴央は自分の目の前の空間とパックの目の前の空間をつなぎ、その矛先を変えて見せた。
そのささった刃が致命傷になり、動かなくなったパックはそのまま落ちていき・・・消滅した。

パックを完全に倒したと確信すると、鳴央は展開していた球体を収めて、壁に手をついてふらつく体を支える。
そしてそのまま、半ば体を引きずるようにして、神殿の奥へと進んでいく。



  ========



「ここか・・・数秒でついたな。」

アホみたいな速度で走った結果、大した時間もかからずに一輝は神殿の最奥にたどり着いた。
そして、そのまま進んでいき・・・両手両足を鎖につながれている音央を発見した。

「・・・よう、音央。助けに来たぞ。」
「一輝・・・?ああ、それでゲームが・・・」

音央は一輝に声をかけられて顔をあげると、何か納得したようにそう洩らした。

「状況は分かってるみたいだな。んじゃ、さっさと帰るぞ。」
「・・・無理よ、もう・・・」

一輝がいつも通りに声をかけているのに対して、音央は弱々しく返事をしている。

「無理?」
「ええ。・・・私はまた、たくさんの人の命を、生贄にされた。・・・もう、あんたたちとは、」
「あー・・・そう言うのは帰ってから聞くから、とりあえず帰るぞ。」

が、一輝はそんな音央の様子を完全に無視して話を進めようとする。

「帰るって、どうやって・・・」
「お前をつれて戻って、オベイロンをぶっ飛ばして、だ。それでゲームクリア、全部丸く収まる。」

そう言いな
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