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問題児たちが異世界から来るそうですよ?  〜無形物を統べるもの〜
王と女王 A
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ゲームが始まった瞬間、契約書類に女王と記されていることから音央がいると判断した一輝は、鳴央とヤシロにアイコンタクトを取ってから、単独でオベイロンに向けて走り出した。
そして、オベイロンがどこからか取り出した黄金色の剣を構えたのを見て、スレイブを構え・・・二つの剣がぶつかる寸前で上に跳ぶ。

「逃がすかぁ!」

そう叫びながらオベイロンは一輝に向けて剣を突き出すも、人型に戻ったスレイブの手刀によって防がれる。

「そいつの足止めは任せたぞ、スレイブ、ヤシロちゃん!」
「「了解!」」

二人から返事が返ってきたのを確認すると、一輝はDフォンを操作して鳴央を自分の隣に召喚し、二人で神殿の奥に向けて走り出す。
当然、オベイロンは二人を追おうとするのだが・・・その道をスレイブがふさぎ、後ろにはヤシロが立っている。

「悪いが、一輝様の邪魔はさせない。」
「お兄さんと鳴央お姉さんが音央お姉さんを取り戻すまでは、ここにいてもらうよ?」

使い手のいない剣と、閉鎖空間であるためにギフトを使えない元魔王。
そんな圧倒的不利な状況であったが、二人は一輝がすぐに帰ってくることを信じて魔王に立ち向かった。



  ========



「鳴央、無理はするなよ。キツイようならすぐに速度を落とす。」
「大丈夫です。これでもハーフロアですから、体力はあるんですよ。」

そう言ってはいるものの、一輝の横を走る鳴央はどう見ても少し無理をしていた。
そして、それを見た一輝は・・・速度を緩めずに、そのままのスピードで奥へと向かう。

もし自分が鳴央と同じ立場だったらこの状況でどうしているか。それを考えてのことだ。

「・・・悪いな。俺が外道・陰陽術を使えれば、式神に乗ってもらう事が出来るんだけど・・・」
「仕方ないですよ。ゲームのルールで縛られているんですから。」

一輝は鳴央も理解していたことに少し感心しながら、ギフトカードを取り出してそこに記されている文字列を視る。
そこに記されている、道具以外のギフトは・・・
“無形物を統べるもの”“×外道・陰陽術”“空間倉庫・1番〜10番”
となっている。

「・・・明らかに、この特殊ルールが原因だな。音央を取り戻さない限り、戻らないと見た。」
「『王よ、女王のために剣を収めよ』。この王を主催者、参加者双方のゲームマスターの事だと解釈したなら。」
「捕まってる・・・向こう側に音央が捕まっている限り、ルールの対象は俺ってわけだ。」

そう、このゲームにおいて王とは双方のゲームマスターの事を。女王とは音央を。剣とはギフトを・・・正確に言えば、妖精に関わるギフトのことを指す。
だからこそ、一部の外国からしてみれば妖精と同じものになる妖怪にまつわる力、ぬらりひょんとの
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