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ハイスクールD×D 〜聖人少女と腐った蛇と一途な赤龍帝〜
第1章 動き出す日常と新たな仲間
第21話 レイナーレ
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こいつは俺とは違う。こいつはずっと一人ぼっちだったんだな。俺は……
「むしろなんであんたは曲がってないのよ。なんでそんなに真っ直ぐなのよ。あんただって振り向いてもらえないのは同じなんでしょ? なのになんであんたは……」
「俺にはあいつらがいたから。大切な幼馴染が……いや、違うな」
そう、違う。あいつらはただの幼馴染じゃない。だって……あいつらは……
「俺のことを、好きでいてくれる奴らがいたから」
そう、ほんとは気付いてた。黒歌姉が、龍巳が、白音ちゃんが、俺にどういった気持ちを持っているのか。でも俺は火織が好きだから、今の関係を壊したくなくって、自分を騙して、気付かないふりして……
「俺は火織が好きだからあいつらの気持ちに応えることは出来ない。だからせめて、あいつらに誇れる自分でいようって、あいつらが好きになったこと、後悔するようなことだけにはならないようにしようって、そう、思ったんだ」
「歪んでるわね」
「……かもな。自分でも嫌になる。んで、お前の姿がそんな自分と重なって腹が立った。だから八つ当たりだって分かってても殴らずにはいられなかった」
「そう……」
火織たちを家に上げなくてよかった。こんな話、絶対に聞かせられない。いつかはちゃんと言おうと思ってはいるんだけど、せめてもう少しこのまま……
「ねえ」
「ん?」
「あいつらは、あの後どうなったの?」
「気になるか?」
「……別に。お互い利用しあってただけだし」
「……お前の仲間の堕天使は全員捕縛。
悪魔祓い
(
エクソシスト
)
は1人逃したけど残りは捕縛または死亡。捕縛した連中は堕天使と一緒に冥界に送られた。後日堕天使側に抗議と一緒に引き渡されるってよ。部長は向こうに引き渡された後向こうの軍法会議にかけられるだろうって。死は免れないだろうとも言ってた」
「……そう。……ねえ、私は?」
「部長は主犯格のお前をその場で消し飛ばそうとしてたけど俺が頼んでやめてもらった。こうして話したかったし、それに……お前には死んでほしくない」
「何それ? 安い同情のつもり?」
「そんなんじゃねーよ。ただ、お前がその想いを遂げられなかったらなんか俺も遂げられないって言われてるようで嫌だったんだ。だからお前にもお前の想いを遂げて欲しい、諦めてほしくないんだ」
「……随分自分勝手な理由ね。しかもこの状況でまだ私に諦めるなって……。私、向こうではもう犯罪者なんだけど?」
「それでもだ。よく言うじゃねーか、恋は障害が大きいほど燃えるって。だから」
そう言って俺は天野さんに手を差し出した。
「だから一緒にがんばろうぜ、天野さん」
励ます意味も込めて俺に出来る最高の笑顔を向けてみる。……っ
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