暁 〜小説投稿サイト〜
ハイスクールD×D 〜聖人少女と腐った蛇と一途な赤龍帝〜
第1章 動き出す日常と新たな仲間
第21話 レイナーレ
[3/5]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
の上の存在に片思いしてるって点だ。お前が愛が欲しいって言ってたアザゼルとシェムハザって堕天使の総督と副総督なんだってな」

「……」

「俺の好きな人ってさ、お前よりは近しい人かもしれないけど、それども本来俺なんかが気軽に話せるような人なんかじゃねーんだよ」

「あんたの好きな人ってポニーテールで長い剣持ってる奴よね?」

「ああ。人間だった頃、まあついこの間まで人間だったわけだが、その頃俺はどこにでもいる高校生でさ、一方あいつは剣道で負けなしの全国のスターみたいな奴だったんだ。幼馴染でもなきゃ俺みたいな奴が接点を持つなんてありえなかったんだよ」

「……あんたとなんかじゃ月とすっぽんね」

「分かってんだよそんなこと。第一堕天使総督と下っ端のお前でも同じ月とすっぽんじゃねーか」

「うるさい。分かってるわよそんなこと。それにやっぱり私とあんたじゃ違う。私はアザゼル様やシェムハザ様に愛されたかったわけじゃない。誰かに私のことを愛して欲しかった。ちゃんと私のことを見て欲しかった。それで、私のことをバカにしてきた連中を見返したかった。私のことをちゃんと見てくれる人もいるんだぞって。ただ、それだけなのよ」

 その言葉を最後に天野さんは膝に顔を埋めて黙りこんじまった。多分俺なんかには想像できないような過酷な人生を歩んできたんだろうな。

「なあ、そのお前をバカにした連中って……」

「……天使よ。まだ私が堕ちる前の時私は無能扱いされて虐められてたのよ。笑えるでしょ? 天使が子供みたいに寄ってたかって虐めなんてしてるのよ? なのに神の基準ではそれは悪いことじゃないみたいね。誰も堕ちたりしなかったわ。私がいくら祈っても尽くしても神は私に手を差し伸べてはくれなくって、辛くて、苦しくて、耐えられなくって……それでやり返したいって強く思った途端に私は堕ちたわ。実際に暴力を振るうあいつらは堕ちないのに私は思っただけで堕ちたのよ!? ざっけんじゃないわよ!!」

 天野さんはまるで血を吐くかのように言葉をぶちまけた。

「私はその後行く所がなくて神の子を見張る者(グリゴリ)に身を寄せたわ。そこで出会ったのよ。堕ちてもなお真っ直ぐな目をしたあの方々に。私はあの方々の力になりたくて、私のことを見てほしくって必死に任務もこなしたわ。いつかあの方々の目に止まることを信じて」

「……ならなんで今回みたいなことになってんだよ。なんでお前は曲がっちまったんだ?」

「……結局私はあいつらの言う通り無能だったのよ。任務もまともにこなせずあの方々の目に止まるなんて夢のまた夢。諦めかけてた時アーシアのことを知ったわ。なら、もうそこに飛びつくしかないじゃない! なりふり構っていられるわけないじゃない!!」

 ……そういうことか。確かに
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ