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ハイスクールD×D異伝 異なる兵士の物語
芽生える小さなモノ
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何かしたかな?


「何でも無いわ、今後も誰かの為を想える貴方であって頂戴ね」

「はい!」


誰かを想うか…実際言われてみてもピンと来ないけど、もし先輩の言う通りに今日の俺の行いで利香ちゃんの心が少しでも救われていたのだとしたら嬉しい事だ


「人の心を救い、弱き者に手を差し伸べる悪魔なんて前代未聞だけれどね」

「弱き者に、手を…」

「それでは、また学園でね?」

「は、はい!お疲れ様でした!」

「お疲れ様」


先輩と別れ一人歩く、俺は彼女の言葉を思い出しながらゆっくりと家路に着いたのだった








人の心を救い、弱き者に手を差し伸べる悪魔…そんな正義の味方の様な存在に俺はなれるのだろうか














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「聖母の微笑…アーシアの力があれば私は至高の存在に至れる、あの方々に愛される存在になれる…」

「レイナーレ?」

「ユリア…いつの間に入って来たの?気づかなかったわ」

「さっき、ノックもしたけれど返事は無かった」

「そう、それで?何か用?」

「うぅん…特に用は無いけれど…」

「用が無いのなら出てって頂戴、儀式の準備で忙しいのよ」

「うん…」


邪魔という事だろう、ハッキリとそう言わないのは彼女の優しさだろうか、最近のレイナーレは危機的で放っておけない


「レイナ?」

「なによ」

「聖母の微笑でレイナは本当に至高の存在に至れる?」

「今更何を言うのかと思えば…そんなの当り前じゃない、あんたにはあの力の凄さが判らないのかしら?」

「善も悪も救う力を持つ、癒しの力…力の凄さは理解している、神の思想を表したかのような神器…堕天使の力と併せ持つ事が出来れば…凄い事になる」

「判ってるじゃない」

「『力』は強くなる…でも『レイナ』は強くなれる?」

「あんた…あたしに何が言いたいわけ?」

「…何でも無い…お休みなさい…」

「…ふん」


今のレイナーレは目の前の力に心奪われ大事な物を見落としている様な気がする…時折見せる狂気の瞳は永く友である自分から見ても危うく写る


「それでも…」


彼女が力を望むのであれば、自分の全てを賭けて協力しよう、変わり者の自分を救ってくれた彼女の為…

彼女の目指す至高の存在、何を指して至高なのか自分にはハッキリと判らないがもしかしたら何れ判る事なのかもしれない


「だが…」


ここ最近の胸騒ぎは何だろう
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