第六章 正義の在り処編
第百七十五話 『襲撃、暗殺者の名は……』
[5/6]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
相手にかましてやりなさい!」
「オッケイ、ティア!」
それでスバルはマッハキャリバーで敵対者の周りを何度も移動し続け打ち込むチャンスを窺う。
ティアナはフェイク・シルエットでスバルと自身の分身を生み出し様々な動きをさせながら撹乱させる。
スバルはティアナのフェイク・シルエットの分身に紛れ込み、いざ突撃と機会を計ろうと思っていた矢先に敵対者は一直線にスバルに向かって駆けてくる。
「ッ!?」
「嘘ッ!?」
二人の驚き様は当然だった。
なにせフェイク・シルエットの分身とあわや衝突するかもしれないと普通なら回避しながら動くだろうはずなのに、敵対者は分身を一切気にせずに向かってくるのだ。
すでに何度もスバルの分身と当たっている筈だが、敵対者は衝突の恐怖はないのだろうか?と思わず思ってしまう程にフェイク・シルエットを完全無視している。
「くっ!?(センサーの類でも使っているって言うの!?)」
思わず内心で毒づきながらもティアナは、ならばと、
「それならこれでどうよ!」
ティアナ本人と他の分身のティアナが全員クロスファイアを精製する。
思念通話でスバルに《タイミングは任せるわよ!》と話して、
「受けてみなさい! 虚実入り乱れたあたしのクロスファイアを!」
ティアナの「シュートッ!!」という掛け声と共にクロスファイアの弾丸の嵐が敵対者に殺到する。
これにさすがの敵対者もその場で足を止めて両手の双剣ですべて叩き落とそうと構える。
だが、クロスファイアの後にすぐにスバルが追従し、リボルバーナックルのタービンを回しながら、
「うおおおおおーーーっ! リボルバー・キャノン!!」
クロスファイアを囮にしながらもスバル自慢の打撃魔法であるリボルバー・キャノンが敵対者の顔面に迫る。
それを敵対者はギリギリの角度で避けようとする。
スバルの拳と敵対者の羽織っていたフードが接触しているのか『チリチリッ……』という擦れる音が聞こえてくる。
だが、決定打にならなかったのか敵対者はジャンプして後方に下がる。
だけどその時に敵対者が被っていたフードがスバルのリボルバーナックルのタービンで起きた風に揺られたのだろう、それが後ろに下がりフードの下に隠れていた敵対者の顔があらわになる。
「えっ………?」
一瞬の意識の忘却。
スバルは目の前の光景が脳が理解できていなく拳を振り抜いたまま茫然自失となる。
それは………、
あらわになった敵対者の顔は、肩口まで伸びた黒い髪、整った顔立ちは可愛くて、眼鏡をかけているのか知的な印象を与えてくれるそんな彼女。
しかし、今の彼女の表情は無表情に近く、且つ今すぐにでも泣き出しそうな、そんな儚い印象である。
そしてスバルは彼女の事を知っていた。
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ